すくい縫い | 注文靴&靴作り教室 ~世界に一つだけの宝物作り~

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Bottega TraModa 代官山のオーダー靴と靴教室の職人二人のブログ

さて。Traの日です。


先週今週と120%の彼はすくい縫いです。

すくい縫い。。。そう。アッパーとウェルトと中底を縫うやつです。


すくい縫いのやり方も人それぞれでなかなか興味深いものがあります。


始めに中底に穴を開けてから縫う人。開けずに直接縫う人。

ウェルトを引きながら縫う人。押しながら縫う人。

道具も違えばウェルトを自分で作る人も居るし、糸も単糸からよる人もいれば、よってあるものを使う人も。

針を出す位置も人それぞれ。


好みによる部分もありますが、やり方がイロイロあるように、それに対する皆さんの考え方もまた面白いものがあります。

中には疑わしいものもありますが、成程なと思うことも。


すくい縫いは2つのことを注意するだけでかなり綺麗に縫うことができます。

知りたい人はTraに来てください^^



因みにTraでは

始めに中底に穴を開けます。糸は単糸をよって作ります。

ウェルトは出来あいのものを使いますが作ってもいいです。


で。120%の彼は120%だけあって?作りました。

出来あいのウェルトと比べてかなり硬い革を使用しているので、作るのも大変だし縫うのも大変。

少々苦戦していましたが完了。



TraModaのブログ-すくい縫い


さてさて。

やり方がイロイロあるように、糸に塗るものもイロイロあります。


イギリスではタールを使うようですが、タールはちょっと。。。と思わなくもありません。気分的に。


日本では「チャン」と呼ばれるものを使うのが一般的のようです。

チャン。。。なぜチャンと呼ばれるのかは不明なので、ご存知の方は教えてください。

松脂だと思うのですが、これに油を少々加えて使うそうです。


イタリアではチェーラ(蜜蝋)、またはペーチェ(松脂)、あるいはこれらを混ぜ合わせたもの。が一般的のようです。


TraModaのブログ-cera,pece

ペーチェ(下)の方はチャンよりもベトつきが強く、扱いもチト厄介です。

始めのうちは蜜蝋が扱い易くて良いかもしれませんね。


そしてこの塗り方にもイロイロあります。


そもそもこれらを塗るのには。

糸の強化。防水。などの理由があるため、皆さんなるべく糸に染み込ませたいようです。

こういう観点から言うと、個人的に抵抗のあるタールが効果的に思えます。



糸1本の作り方ですらイロイロな考え、方法があります。

手縫いの面白さはこういうところにもある気がします。

イロイロなやり方や考え方を見て、聞いて、自分の方法を探して、作って。。。

まぁ。難しいですよね。私もまだまだ勉強中です。はい。