2013年5月8日
浄瑠璃寺へ。
お目当ては・・・
・秘仏・吉祥天さま
・秘仏・薬師如来さま
・国宝・九体阿弥陀如来さまたち!
奈良と京都の県境付近に位置し、
近鉄奈良駅からバスが出ていますが、実は京都のお寺です。
バスを降りると、のどかな山里の風景が広がります。
山門までの道には、数軒のお土産屋さんや茶屋があります。
平日なので 参拝者もそれほど多くなく、のんびりとした空気。
山門をくぐると、新緑の美しい庭園が迎えてくれます。
この庭園は極楽浄土を表わしているそうで、
中央に池、東には薬師如来さまがいる三重塔、西には阿弥陀さまがいる本堂が配置されています。
池ではカメが甲羅干し。コイは足音を聞きつけて近づいてきます。カラスは行水をしていました。
確かに極楽なのかもですね。
まずは本堂(国宝・九体阿弥陀堂)へ。
お堂の入口は障子の扉。自分で開けて入るのですが、
仏さまたちのお部屋に「お邪魔しま~す」という感じで、わくわく!
入るとすぐ、持国天さまと増長天さまがいらっしゃいます。
肉付きがよく、どっしりとした立ち姿。
衣装の色彩や模様もきれいに残っており、
截金(きりかね)模様の金色がろうそくの光に照らされ、うっすらと輝いていました。
彼らの足元には邪鬼(じゃき)が。
むぎゅーっと踏まれて 悔しそうだったり、なぜか喜んでいるようだったりと、
それぞれユーモラスな表情を見せてくれていて、仏師の遊びゴコロが感じられます。
そのお隣には、こちらの本堂の主役、阿弥陀如来さまたちが九体、ズラ~リ勢ぞろい!
平安時代には、貴族たちの間で このような九体阿弥陀が流行し、30以上のお寺があったそうですが、
現存するのは唯一、この浄瑠璃寺のみなのだそうです。
中央には丈六サイズの阿弥陀如来中尊さま。
大きな体と、少したれ目のお顔に包容力と安心感を覚えます。
ずっと向かい合っていると、まるで「よく来たね。」と言ってくれているような気さえしてきます。
東の三重塔の薬師如来さまと向き合う形で安置されています。
その両脇に四体ずつ、すこし小さめ・半丈六サイズの阿弥陀如来さまが並んでいらっしゃいます。
規格があったようで、頭部、胴体、脚部、それぞれのサイズはきれいにそろっています。
だけど、九体それぞれが違う仏師によって製作されたので、
正面に向き合うと、一体一体がまったく違う表情をされていることにオドロキです!
私のお気に入りは、向かって左から三体目の阿弥陀さま。やさしくかわいいお顔をされています。
中央の阿弥陀さまの向かって左隣には、秘仏・吉祥天さまが!
普段は小さなお厨子の扉の奥にいらっしゃっるのですが、
今回は特別開扉期間中で、拝観することができました!
(確信犯的に、この時期を狙って行ったのですけどね^-^)
手を伸ばせば届きそうな距離で感激!バッチリ目も合います。
ふっくらと丸みのあるお顔。
きゃしゃな手指。手にコロンと乗せた宝珠。
華麗な装身具。風を受けて ふわりとふくらむ衣の裾。
ファンが多いというのも納得の、魅力的な仏さまです!
阿弥陀さまの向かって右隣には、子安地蔵菩薩さま。
色白のお肌に気を取られ、気づかなかったのですが、腹巻をされています。
一番奥には不動明王さま&矜羯羅(こんがら)童子&制多迦(せいたか)童子。
個人的には この三尊をセットで見れると、めちゃくちゃテンションがあがるんです(笑)!
鎌倉時代につくられた仏さまで、表現がリアルで力強い!
眉をひそめてにらみをきかせる制多迦童子、ぽわんとやさしい表情のプリティー矜羯羅童子。
ニヤニヤしそうなのを抑えつつ、超満足して本堂をあとにしました。
池を見ながら三重塔の方へ歩いていくと、鐘楼があります。
この階段を上がると三重塔(国宝)へ。
こちらには、秘仏・薬師如来さまがいらっしゃいます。
特別開扉日でも、好天に限られているため、めったにお目にかかれません。
晴れてよかったー!!
長く秘仏として守られてきたおかげで、金箔や彩色がきれいに残っています。
薄暗い三重塔の中にもかかわらず、小さな扉から入る自然光に反射して、
まるで内面から光を発しているような 金色の輝きに見とれてしまいます。
お顔は、綾野剛似(?!)で、きりっとした切れ長の目。
眉間の白毫はかなり大きめです。
威厳のあるお顔に、背筋を正して手を合わせました。
三重塔から見た本堂。
三重塔から池の南側を歩いていくと、奥のほうに鎮守跡があります。
手前にはかわいい石仏さま。
神聖な空気が漂っていて 思わずシャッターをきりました。
池をぐるっと一周するかたちで再び本堂の前へ。
屋根に、かわいらしい獅子を発見。
振り返ると 三重塔が新緑の中、美しくただずんでいます。
風薫る五月、さわやかな気候も手伝って、すっかり癒され、たっぷり楽しめました。
この浄瑠璃世界をまた訪れようと、心に誓ったのでした。
※仏像の写真は、撮影禁止のため、
お寺のパンフレットや 買い求めた写真集「浄瑠璃寺(中 淳志さん撮影)」から引用しました。