2013年4月11日
奈良県 吉野山の金峯山寺(きんぷせんじ)へ。
お目当ては・・・
秘仏、金剛蔵王大権現(こんごうざおうごんげん)さま!
ちょうど桜の季節。
平日にもかかわらず、近鉄電車も ロープウェーも 花見客で大賑わい。
参道にひしめきあう お土産屋さんに みとれながら歩いていると、
突如、仁王門が現れます!
今回は、こちらの仁王門の修理のため 特別に秘仏がご開帳されるのだそう。
特別拝観料の一部は 修理費に充てられるということです。
秘仏を拝観できて、ささやかながら修理に貢献できるというのは、
単純ですが、ちょっといいことした気分。
本堂の蔵王堂に入る際、記念品の木札とエコバッグをいただきました。
履いてる靴を そのエコバッグに入れるように促されましたが、
汚れてしまうので ちょっともったいない気もしました。
でも、ありがたく利用させていただいてます。
そして いよいよご本尊の秘仏とご対面・・・!
薄暗い本堂に入り、次第に目がなれてくると
お厨子(ずし)の向こうの 青い姿が目に飛び込んできました。
7メートルほどもある大きな体!
それも3体並んでいらっしゃいます。
下からライトアップされて さらに迫力満点!
圧倒されながらも、ここまで無事にお参りに来れたことに
感謝しながら 手をあわせます。
それから じっくり細部を拝観。
お顔は青く、つるんとしたきれいなお肌。
口元からは まるでイノシシのような 上向きの牙が ニョキーンッと出ています。
目はカッと見開き、一見こわいのですが、だんだん優しいお顔に見えてきます。
きっと慈悲の心のなせるワザ?なのでしょう。
片足をふりあげ、お厨子を乗り越えんばかりの躍動感。
だけど どっしりとした安定感もあり、すばらしいバランスの仏さまたちです。
金峯山(きんぷせん)で修行をしていた役行者(えんのぎょうじゃ)。
人々を迷いや苦しみから救い、悟りの世界に導くために、
乱世にふさわしい 強い仏の出現を祈ったところ、
雷鳴がとどろき、岩を割って現れたという蔵王権現さま。
その情景がたやすく想像できるほど、今でも雷が鳴り響いているような感覚におちいります。
この吉野山が桜の名所となったのは、
役行者が桜の木に 蔵王権現さまの姿を彫刻したことにより、
桜をご神木として保護・献木されるようになったことがはじまりなのだそうです。
世界遺産にも登録されている本堂は、
東大寺の大仏殿に次ぐという、大きな木造建築物。
堂内に立ち並ぶ たくさんの柱をよく見ると、
まっすぐではなく、ちょっとまがっていたり、ふしがあったり。
自然のままの姿で本堂を支えています。
杉や松、ヒノキ、ケヤキ、梨など、いろんな種類の木材が使われているそうです。
そんな木々の姿に触れると、
「神仏習合」・・・そんな言葉が頭をよぎりました。
まだ勉強中で、詳しくはわかりませんが、
役行者が開いたとされる修験道(しゅげんどう)は
「山へ籠もって厳しい修行を行うことにより、悟りを得ることを目的とする日本古来の山岳信仰が
仏教に取り入れられた日本独特の宗教」(Wikipediaより引用)だそうです。
森羅万象に 魂が宿ると 古来から考えられてきた日本。
そして この吉野山で修行をつむ中、時に苦しめられ、時に癒されたりしながら
大自然の中に神仏を見出し、信仰を深めていったのでしょうね。
拝観を終えて、吉野山が見渡せる、奥千本エリアまで 1時間ほどかけて登りました。
そこから見た 景色の美しさ。
山々の稜線、桜で淡く色づく木々。いつの間にか遠くに見える本堂。
心がすぅーっと静かになるのを感じながら、しばし時を忘れてみとれていました。
自宅から約2時間半。
神秘の青で癒された ショートトリップの1日でした。