ちょっと日が経ってしまいましたが・・・
2013年5月18日
兵庫県小野市の浄土寺へ。
快慶作の阿弥陀さまがいらっしゃるということで、以前から気になっていたお寺です。
近いようでいて 微妙に遠く、なかなか足が向きませんでしたが、今回、気合を入れて行ってきました!
しかし、これが下調べが甘かったせいで、なかなかたどり着くことができなかったのです(泣)。
・・・まず最寄りの小野駅からお寺までの直通バスはなく、しばらくさまよい歩き、
道を尋ねたくても、国道と畑が広がる道中では誰にも出会えず、
ようやくお寺方面に向かうコミュニティバス(らんらんバス)に乗るまでに1時間、
乗り換えポイントのイオンで降り、時刻表を見ると、次のバスが来るのは1時間後と知り、「歩いた方が早いやん!」と、隠れイラチ精神発揮。
憎いほどの炎天下&強風吹きすさぶ中、「こ、これもきっと修行の一環やわ!」と自分を奮い立たせ、約40分後、やっとこさ浄土寺に到着。ふぅ。・・・
不思議とお寺に入ると すさんだ気持ちが落ち着きます(笑)
こちらのお寺は、鎌倉時代に重源上人によって建てられたものです。
重源上人は、焼失した東大寺大仏殿の再建を任された人物。
中国(当時の宋)にも早くに渡り、宋の文化や技術に習得した、すご腕の人だったようです。
阿弥陀さまがいらっしゃる浄土堂(国宝)は、「大仏様(天竺様)」という建築技法を用いて建てられています。
東大寺南大門と並び、全国にただ二つだけ現存する、「大仏様」を現代に伝える貴重な建物です。
何と、創建された1194年から昭和32年までの約770年間、一度も解体されずに持ちこたえていたのだそう!
当時の技術の高さに脱帽です。
外観は一見地味かな?という印象でしたが、内部はダイナミックな大空間が広がっていましたよ~。
さあ、では早速中に入ってみましょう~。
入口をくぐると、大きな大きな阿弥陀さまが目に飛び込んできます!
思わず息をのむ神々しさ、完全に圧倒されます。
木造阿弥陀如来及両脇侍立像(国宝)。
お堂の中央に安置されています。
阿弥陀さまは高さ5.3m。
光背が屋根裏いっぱいにまで広がり、お堂とピッタリサイズでつくられたことがわかります。
朱色をバックに、金色の体が映えて、なんとも豪華です!
両脇侍の観音菩薩さま、勢至菩薩さまはそれぞれ3.7m。
流れるような衣の表現や、高く結い上げた髪が美しい~。
さすが快慶!このところすっかり快慶に魅了されています☆
三尊とも、鼻筋が通り、黒目がちの、はっきりとした異国風のお顔をされています。
しばし手を合わせ、座り込んで見とれたあと、三尊の周りをぐるりと一周。
足元の雲座の、モクモクと湧き上がってくるような、そして風にたなびいて後ろに流れていくサマがよく見えます。
そして阿弥陀さまの丸くて大きな背中。失礼ながら、とってもかわいく思えて、またしばし見とれる始末。
丈六の坐像は各地に多く残っていますが、立像はとても珍しいものです。
これだけの高さの像をどうやって安定させているのかと思ったら、台座と床下を突き抜け、基礎の部分で支えているんですって!WOW!ダイナミック!
そのおかげでお堂と同様、創建当時そのままのお姿で拝むことができているのだそうです。
説明によると、
「好天の日には、堂背の蔀戸(しとみど)から差し込む西日が床に落ち、
その反射を背景に、西方浄土から雲に乗り、早来迎される阿弥陀三尊のお姿を拝することができる。」とのこと。
訪れたのはお昼前だったのですが、この時間帯でも、
外からの明るい光がお堂に満ち、ご来迎のシーンが目に浮かびましたよ☆
うーん、この感動、写真では伝わりきらないですねぇ。
実際に訪れ、「見る」というより「体感」して欲しい仏さまです!
浄土堂のすぐ近くには鐘楼があります。
内部はこんな感じ。
伽藍中央には池があります。
池の正面には八幡神社が。
重源さんは八幡信仰を重視する方だったそうです。
本堂の薬師堂。
もとは浄土堂と同様に「大仏様」でしたが、室町時代に焼失し、再建されています。
その際に和様や唐様の手法が混ざってしまったそうです。
開山堂。
扉の格子模様がモダンな印象。
不動堂。
不動堂のすぐ裏手には裏山へ続く道があり、四国八十八ヵ所とアジサイ巡りができるハイキングコースになっています。
新緑の中、かわいらしい姿の観音さまやお地蔵さんが点在していました。
帰りは時刻表をチェックしておいた「らんらんバス」に無事、乗ることができました☆
前途多難な道中でしたが(原因は自分の準備不足です、汗)、
想像以上に素敵な阿弥陀三尊にお会いできて、心がほっこり満たされた帰り道でした。
これに懲りず、また来るぞ~っ♪















