痛みの相談コーナー
(実例を基本にしています)
◎座骨神経痛と診断されたがよくならない。
〔相談〕
56歳の女性。
2~3年前より右のお尻の部分に痛みがあり、ひどい時には右足の後面にしびれがひびく。
MRIでは腰の骨は、
年齢相応の変化はあるが、
大した変化ではないとのこと、
痛み止めなどの薬はほとんど効かない。
〔回答〕
座骨神経痛は腰椎などの変形で、
その付近から分岐する神経根(しんけいこん)への圧迫とされていました。
事実その説は間違ってはいませんが、
その神経のもう少し先の臀部での圧迫がある場合が少なくないことが分かってきました。
これは梨状筋(りじょうきん)という筋肉と閉鎖孔という骨の辺縁で座骨神経が圧迫されて起きるもので、座骨神経痛の約50%くらいであると推定されています。
安静時より歩行時の方がすこし痛みか軽くなる傾向があります。
理学療法士に梨状筋のストレッチを指導してもらうと改善することがあります。
〔裏技〕
アメリカでは
梨状筋にボツリヌス剤を注射します。
元来の筋肉の太さ、閉鎖孔のサイズなどにより違いはありますが、
梨状筋の緊張度を緩和させることによって改善します。
早めに効くこともありますが、
梨状筋が肥大化してる場合には、
約3カ月おきに数回治療を繰り返すと筋肉がもとの太さに戻ってきて効果がはっきりすることもあります。