脳脊髄液減少症
ヒトの脳や脊髄の周囲には、硬膜が覆っており、その内側には髄液という透明な液が入っています。
脳はバケツな中に入った豆腐だ、という例えがよく用いられますが、水が髄液でバケツが硬膜と考えてください。
さてこの髄液が漏れだしてしまうことがあります。
硬膜に破綻があったり、脳で髄液液の産生が乏しいときに生じる現象です。
交通事故などの後遺症で硬膜が破綻してこの病気が生じることが報道させ、話題になったことがあります。
破綻した膜に付着させた血液を凝固させて治療します。
しかし、軽い症状を含めるとこの症状は多いのです。
脱水によって髄液が低下したときにも生じます。
もちろん治療は水分と塩分の補給です。
これらの頭痛の特徴は起立性頭痛と呼ばれるもので、起きたときに痛みが強くなり、横になっているときには頭痛が軽くなるというものです。
この頭痛は、脳の形が変わるほど酷くならない限り、ほとんどが誤診されます。誤診名は片頭痛です。
もし髄液減少が長期化すると硬膜と脳の持続接触のため、さまざまな症状が現れて治らなくなりますから、あやしいと思ったときには、きちんとした医師に受診してください。