Botom line, botom job. -26ページ目

Botom line, botom job.

結局のところ、底辺職。

「濡れてるよね」

「いっぱい濡れてるよね」

 

濡れてるなんてもんじゃねーよ、どちゃんこ濡れて滴ってるよ。

ズボンの膝にサポーターが透けてるから、今、俺を後ろから見たらパンツ透けてんだろな。男でごめんよ。あれ俺今日のパンツ何色だっけ?

んーっと、

紺だ。

 

カッパ着たくないなやだな。午前の作業終わるまで天気持たないかな。

ミッドウェー海戦のように、雨具部屋を出たら入ったり、着たカッパを脱いだり下だけ履いてみたり。

 

カッパ着ない。

長靴履かない。

夏作業着でいい。

(ミッドウェーは「爆弾にするか魚雷を積むか?」迷って大敗した)

 

あー・・・

ぽつぽつが、

さあさあになり、

ざーざーになって、

 

諦めたよ。

 

「濡れてる」なんてもんじゃねーよ。

これは着衣水泳。

 

 

 

初めて組むドライバーさんが、

 

「お兄さんいくつ?」

 

(お、おにーさん⁈)

3です。今年4になります。

 

「ほんとにっ?」

「すっげえな」

「動くねぇ」

 

いえ、無理してます。

 

「だろうねぇ」

 

 

何の時だったか彼女が「やれやれ」て感じで、

 

「(あなたは)体力あるからさ」

 

ちょっと不機嫌に言った。

 

(俺そんな「毎日やろう」なんて言ったっけ?言ったかも)

 

 

だとしてもさ、

歳は歳なんだよ。

夏、大丈夫かな?

越えられるかな?

職員さんは皆「別次元だから」と言う。

「毎年何人か倒れるし救急車呼ぶ」と。

 

あわわ〜

 

俺が『倒れる人今季1号』にならないといいな。とは言え、どう予防していいかわからない。薄着には限界あるし。

 

パンツ履かないでやろうかな。

 

ぼそっと呟いた俺。

周りの職員さん達、大爆笑。

 

「kenさんその発想はかつてない」

 

いや俺、大真面目に言ったんだけどな。

 

「年齢が高い人が倒れるわけじゃないから」と言ってはくれるけどさ。

慣れるんだろか?

暑さ湿度炎天下のダッシュ

 

 

 

どーでもいーけど、

俺が写真を辞めてしまったのはこの国の写真界の損失だな。

だって食えねんだもん。

だってギターの方が楽しいんだもん♪

 

 

 

これはラジオなのかな?ブルートゥースかな?

 

きぃみぃをーだきしめたあいいーっ♪〜

さけんでるー🎵〜

 

変な歌。

高い声の男性ボーカル

気持ちはわからんでもないが、叫んじゃだめだろ逃げられるだろ。

でもま、間奏のギターは上手いね。

作業車の中、ドライバーさんの趣味だろか。

 

 

俺、

なんかもうこういう恋の歌って別世界の話みたいで。

 

「別世界?」

 

はい。

グリム童話とかお伽話みたいな。

現実感がないんですよ。

SFでもいいくらい。

 

「え?」

 

だって俺もうそろそろ童貞ですから。

 

「はぁ?」

 

あいみょん辺りから始めないと。

 

「あいみょん?」

「あっははははーっ」

「kenさんおっもしろいこと言うねぇ」

「あはははは」

 

(いや運転中そんなに笑ったら危ないって。そもそも俺そんな面白いこと言ったかな?)

 

 

 

洗濯室で、

 

「kenさん今日うちの車の前、横切ってったよ」

「バリッバリ走るねー、元気だよねー」

 

いや。

んなことないです。

この程度の暑さで目がチカチカしちゃって。

 

「あら。」

「大丈夫だった?」

 

腰痛ベルト外したら回復しました。

ドライバーさんに車に置かせてもらって。

あれ暑くなったらダメすね。

 

「kenさん腰悪いの?」

 

いえ。

全然。

この仕事で腰痛めたことはないです。

用心した方がいいのかなと。

普段腰使わないもんですから。

 

「上にばっかり乗ってもらってんでしょ」

 

(?)

 

(あ)

 

いいですねーそれ。

願わくば人生の最後がそれ。

最高の景色を見上げながら死ねるって。

 

「あっはははははは」

「kenさんやっばり変わってる」

「発想が面白いよねー」

 

(そかな?)

(本人切実な願いなんだけどな)

 

 

こんな初夏の朝は地下鉄じゃなくて地上を走る電車で出勤したい。

橙色の朝日の綺麗なこと。



昨日夜8時、娘帰宅。

俺、

お弁当の用意は済んでるから冷蔵庫の食材とか何でも食べちゃっていいよ。では寝るねーおやすみー


布団に入ってぬくぬくしていると(暑い)iPhone鳴る。

見慣れない発信番号。


(何だ?)

(誰だ?)

↑こういう時に『何の期待もしない』のが潔くもあるし寂しくもある。


あ。

今日はこないだ内覧した川向こうの施設の人が親父に面会と病院のブリーフィングに行く日だ。


「結論から言いますとお父様の入居は可能です」


(おー)

(助かったぁぁーっ)


「ですが、お父様の状態は今うちに入居されてるどなたよりも悪いです」


(そーなんだろなー)

(「3ヶ月でこんなに痴呆が進みますか」て言われたし。そんなこと俺に言われたってさー)


「それでですね」

「3つほどご理解頂きたいことがございます」


不潔行為。

もう排泄した認識が無いのだろう。それでお尻が気持ち悪くて(便を)摘み出してしまう。今はツナギ状のものを着せて防いでいるが、うちでも同じことになる。


異食行為。

何でも口に入れてしまう。食べようとする。タオル、シーツ、布団までも。噛みちぎって飲み込んだ場合、窒息の可能性が高く危険。


転倒。

車イスを理解していなく何度も立ち上がろうとする。その度によろけて非常に危険。


以上を考慮して、ベッドに身体拘束することの同意。窒息、転倒のリスクがあることに理解を頂けるなら入居は可能。


要はさ、「何かあった時、責任持てませんよ。そこ追求しないでね」てことだと。

こちらとしては入居させてくれるだけで充分だ。退院したら行き場所ないんだから。



「病院と相談しまして、このゴールデンウィーク中の入居はいかがでしょう?」


(もうさ、病院も置いておきたくないんだよ。行き先決まったらとっとと出してベッド空けたいんだろね)


今お伺いしたことをこの後、姉に伝えます。明日、姉から連絡させますのでその上で判断させて頂きたく・・・


判断も何もないんだけどね。一応「姉弟合意の上で」て話してるから通す筋は通さないと。

入居までのちょっとの間、忙しくなるけど(家具とか着替えとかテレビとか入れないとなんないの。あと車イス買わなきゃ)

ひとつひとつ片付けないとね。

ここ数ヶ月最大の問題がやっとなんとかなりそうだぜー


ほんと長生きなんかするもんじゃない。

もう少しギター上手くなったら死んでいーよー喜んで。




また夏が来るね。

あと何回見れるだろ。