Botom line, botom job. -13ページ目

Botom line, botom job.

結局のところ、底辺職。

10日間の慶弔休暇中に出来るだけやってしまおう今日も朝から実家片付け。

お腹空いたお昼行こう。

目指したのは駅の反対側の中華「安くて多くて美味しい」と評判の店(何度か行ったことあるけどまぁまぁだな)

 

ありゃ。

休みだ。

どうしよう探すのめんどいから向かいの洋食屋か隣の・・

 

「いいんじゃない?」姉夫婦ずんずん。

 

ちゃんとしてる和食屋さんで「素材すべてにお金掛けてます」て感じ。

ここは確かに美味しい。

が、定食が2,000円近くする。

それでもいつも混んでて土日は並んでる。

この街の人って結構お金持ってんだね。

 

そこじゃなくてね、

 

この店の店長さん、ちゅーか、女将さん・・

 

 

カウンターに三人並んで料理が出て、ありゃこりゃ美味しそうだ。なんて肉厚な姉さんの西京焼き。旦那のマグロぶつも中々、でも俺はどこでも生姜焼きなのさ。

 

「kenさんっ」

 

お。

さっきは居なかった女将。

 

あ、俺の姉です。あと旦那さん(と右隣の二人を)

 

紹介した途端、

「kenさんが来ることなんてなかったから」

言って顔を両手で覆って(うわ勘が鋭いなすげえな)泣き出した。

 

(ナンデワカッタ?)

(いや前に唐揚げ弁当、娘に買いに来たことあっただろ?会話しただろ?)

 

うん。

親父死んだ。

30日の朝。

目が覚めないまま死んだ。

 

「だって」

「そんな」

 

泣かない泣かない。

うちは娘以外泣いてないから。

でもありがとうね。

(うわー店中のお客さんと店員さんこっち見てるよ。何事か?と。いや俺元彼とか元旦那とかじゃないです。そーいうのじゃないです違います痴話喧嘩とか痴情のもつれとか地上の星・・)

 

「あたし」

「16年だよ」

「16年」

 

 

女将がここの前に居た店に親父は毎日通って昼飯を食べ(昼間っから)酒を飲んだ。

お袋が痴呆でもまだ歩けた頃、ちょうど16年くらいになるのか。お袋も一緒に行ってた。

16年間、親父の話し相手をしてくれた。

 

 

ご馳走様と店を出ると、店前で涙目で待っててくれて、

「いつも唐揚げと生で始まって、唐揚げは小さく包丁入れて」

「お母さんが来てた頃は青リンゴサワーをゆっくり飲んでて」

「仲良くて」

「思い出すことがいっぱいあるから・・」

涙が頬を伝う。

 

ありがとうね。

そうやって思い出してくれて悲しんでくれることは、何より親父の供養になるから。

本当にありがとうございます。

 

 

知り合いのすんごい歳下の女の人に死んで泣かれるって、俺にはあり得ないな。そういうシチュエーションに居ないもん。

親父、果報者だな。

まぁ確かに、

 

男前ではあったからね。

 

 

 

少しなら払うから俺ん時も誰か泣け

 

あっちぃぃ〜

シャワー浴びちゃうね。

 

親父後片付けから帰って来てリビングでTシャツ脱ぐ「見よこの(おっさんにしてはまぁまぁな)大胸筋っ」ではないけれど。

 

 

「どうしたのそれ?」と娘。

 

あーこれねー

Tシャツの上から蚊に刺された。

かいー

 

「?」

「それ蚊じゃないでしょ」

「ひっどいよ」

 

え。

ほんと?

 

洗面所の鏡を見に行く。

 

あじゃじゃ

左の首から左乳首(おっさんのだからエロくない)の上まで10箇所くらい刺されて赤く腫れてる。「くらい」と言うのは腫れて繋がっちゃっててわからない。

蚊じゃないとしたら何だろ?ダニかな?

施設の撤収の時かな? リサイクルセンターでかな? 心当たりあちこち。

 

 

かいー

 

娘がウナ持って来て「ぴとぴと」と塗ってくれる。

 

でもさ、

ぱっと見、キスマークみたいじゃない?

 

「キスマークにしては盛り上がってるねぇ」

 

(娘よ。いつからそんな洒落た大人の会話が出来るようになったんだ)

おーよ。

俺と一緒にしたらそりゃ盛り上がるなんてもんじゃないぜぃ。

 

「その盛り上がるじゃない」

「腫れてふくらんでるってこと」

 

あ・・・そっちか。

 

 

またしても娘、100%の苦笑。

(「おっさんが何を言ってんだか。いつものことだけど」て感じでまず間違いないかと)

 

 

まぁ・・・

確かに・・

キスマークなんて20年近く付けてもらってないなー

もちろん付けてもいない。

そこまで俺は所有権を主張しません。

 

 

人はこうやって歳を取って衰えて行くのだよそういうことなのだよ。

朝からごめんだよ。

 

 

「ここが一番涼しいですよ」

 

開店と同時に入ったラーメン屋でカウンターの突き当たりを女将さんが勧めてくれた。

 

あ、ありがとございます。

 

「暑い中、ラーメンを食べに来てくださってありがとうございます」

「良かったら飲んでください」

 

大ぶりのロックアイスが入った烏龍茶のグラス。

 

あ、あっりがとございます(なんでラーメン食べに来ただけでこんなに親切? 俺ウーロン茶嫌いだけど飲みます。てか隣にいる大家のことは何故シカト?)

 

強い陽射しから薄暗い店内に入って目が順応するのに時間がかかった。

目が慣れてテキパキと厨房に指示を出す女将・・てかマダム?

うあ、

 

きっ、きっれいな人だなぁ。

 

 

俺がまったく女の人と縁のない暮らしをしてるからなのか(会社に女性一人も居ないし、他に何もしてないし)

俺の女性遍歴が恵まれ過ぎてとうとう打ち止めになったからなのか。

最近綺麗な女の人と(まったくそういう展開はあり得ない)コミュニケーション取ること多いな。

もとい、

取らせて頂く事が多(おお)ございます。

なんか『そういうことの外側』に居る気がするよ。

 

 

 

くそぉ

体内の水分をすべて出すつもりだな。

きっつ。

今日食べた物を朝から順番に思い出してみる。

怪しいものは何もない。

強いて言うなら『金曜日に山降りてセブンで買ったチョコファッション』

でもそんなすぐ傷まないでしょ。

筋トレしてプロテイン飲んでしばらくしたら猛烈な吐き気。

と腹痛水下痢。

皆様ご存知の様に「上から入れた物は決して上から出さない」が俺のポリシーだ。だって勿体無いじゃんタダじゃないんだから。

どんな吐き気も我慢して全ては下から。

 

「トイレ使っていい?」

 

娘に断ってから既に6回。

こりゃ脱水症状だなと水を飲むと途端出てしまう。

『腸から水分を吸収出来ない状態』だそうだ水下痢。

いや俺、出張先で変なもの感染されてないよねノロじゃないよね。発熱37.5度。

あー、これ。

会社の筋トレの人に貰ったアミノ酸パウダーが合わないのかも。さっきプロテインに混ぜて飲んでみた。

それか?

 

3時間でなんとか回復。

だってもう出すものないもん。

お尻、唐辛子食べた翌朝みたいだし。

はぁ・・

さて、ノンアルで水分補給!

 

 

 

朝、

珍しく娘早起き。

俺に横目で「おはよう」言うと庭に出て、柄杓(ひしゃく)で夏野菜の苗に丁寧に水をやる。

大葉、おくら、茄子・・

あれ?

お前ってそういうキャラだっけ?

突然家庭菜園?

どうしたの?

 

 

 

朝8時半に家を出て、親父の入ってた施設の部屋撤収〜仏壇屋で位牌頼む(要るかこれ??)〜郵便局で撤収したテレビのリサイクル券買う(これすっげえめんどくさい)〜役所行って死んじゃった諸々手続き〜銀行行って死んじゃった口座開けてお願い手続き。帰宅16時。

親が死ぬってやることいっぱいあって大変だなこりゃくたびれる。

 

 

久しぶりにギターの師匠のとこ行って過去イチ駄目だしされて凹む。

親父の後片付けしてる時間あったらギター弾いてたいんだよ優先順位がぜんっぜん違うんだよ俺は今そのために生きてんだよ。

 

 

7時77分 / クレージーケンバンド