新世界の香辛料トウガラシは、旧世界にも急速に取り入れられることになった。インドには16世紀のはじめにポルトガル人によって持ち込まれ、重要なカレーの材料となった。トウガラシはその後、さらに東に伝わり、コロンブスの航海から50年もたたないうちに、中国や日本でも用いられるようになったのである。
トウガラシはすべてが辛いわけではない。だが、爆発的な辛さのものもある。黒コショウのピリッとした辛みは、ピペリンと呼ばれるアルカロイドによるものだが、トウガラシが醸す燃えるような辛さは、主にカプサイシンと呼ばれる化合物による。
カプサイシンは、実に頼りになる存在である。催涙スプレーとして、ジョギング中の人が強盗をやっつけたり、手紙を届ける郵便局員が犬から身を守ったり、ハイカーが熊を撃退するために使うことがある。牧場主は、羊に塗り付け、オオカミを撃退する。庭師はウサギやシカ、リスなどを追い払うのに使う。アステカでは、言うことを聞かない子どもを叩くのではなく、熱々のトウガラシの上に乗せて罰を与えていたそうだ。
カプサイシン:舌への拷問
最近では高速液体クロマトグラフィーを使ってトウガラシの辛さを分析できるようになったが、1912年に考案された辛さ測定法は、スコヴィル味覚テストと呼ばれる人間の舌を使う方法。トウガラシをアルコールに浸してカプサイシンを浸出させたのち、抽出液を希釈する。人間が口に含み、辛みを感じなくなるまでに必要な希釈液が多いほど、そのトウガラシの辛みが強いことを意味する。
トウガラシの辛さは、今でも慣習的にスコヴィル値(単位はSHU)を用いて表現される。スコヴィルスケールの最小値は辛みのまったくないピーマンで、SHUスコアはゼロである。比較的辛みが穏やかなポブラノは500から2000SHU、威勢のいいハラペーニョは2500から8000SHU、口から火を噴くほどのハバネロは30万から57万5000SHUにもなる(気温などの環境によってカプサイシン含有量が変わるため、結果には幅が生じる)。
スコヴィル値が50万を超えるトウガラシは「superhot」と分類されるが、もしかしたら「破滅的」と呼んだ方がいいかもしれない。そのような「megapepper」としては、ブート・ジョロキア(またの名をゴーストペッパー)が有名だ。インドで作られたハイブリッドで、世界で初めて100万SHUを記録した。2007年には、世界で最も辛いトウガラシとして、ギネスブックにも登録されている。これを口にした者は、「溶岩を食べたようだ」という感想を抱くという。
⨁⨂ 参考資料: 辛料貿易=中世から大航海時代= (2/3) ⨂⨁
インドの香辛料輸出については、Ibn Khurdadhbeh (850)、al-Ghafiqi (1150)、Ishak bin Imaran (907)、Al Kalkashandi (14世紀)などの著書で言及されている。インドを旅した中国人の三蔵法師は、「商人達は遠い国へ出発する」とプリーの町について言及している。
アラビアからの陸上交易路は、地中海沿岸に通じていた。8世紀から15世紀にかけて、ヴェネツィア共和国他イタリア海洋都市国家がヨーロッパと中東の貿易を独占した。絹と香辛料貿易(香辛料、香、ハーブ、生薬、アヘン)で、これら地中海の都市国家は驚異的な繁栄を成し遂げた。
香辛料は中世に医療品として需要があり、高価な商品であった。これらはアジアとアフリカからの輸入に限られた。ヴェネツィア商人は、陸路と海路を結ぶ重要な交易地点から他のヨーロッパ人を締め出し、ヨーロッパ中に貿易品を流通させた。この体制はオスマン帝国の台頭で、1453年にコンスタンティノープルが陥落するまで続いた(コンスタンティノープルの陥落)。
大航海時代:新規航路の開拓と新世界の発見
ヴェネツィア共和国は地中海における香辛料貿易の独占を通じ、高い国力とヨーロッパ列強内での重要な地位を確保するようになった。他の強国は、ヴェネツィアの独占体制を崩すため、海外進出を図り始めた。その中の重要な成果の1つは、ヨーロッパ人探検家によるアメリカ大陸の発見であった。
15世紀中頃まで、東洋との貿易はシルクロードを通して行われ、ヴェネツィアやジェノバといったイタリアの海洋都市国家や東ローマ帝国が中間商人として活躍していた。しかし、14534年に東ローマ帝国がコンスタンティノープルを占領したため、東ローマ帝国の支配は消滅した。
オスマン帝国は、当時存在した香辛料貿易の航路を独占したことで、香辛料貿易で優位に立ち、西方へ運ばれる交易品に非常に高い税を課した。拡大する非キリスト教圏に、莫大な利益を生む東方貿易を左右されたくない西洋のヨーロッパ人たちは、直接インドに至る航路の開拓に取りかかった。 ・・・・・・明日に続く
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