中国のススメ戦争の話が出てきたのでメモ
四害駆除運動
中国でスズメを退治したことによる虫害の増加は、人間の介入による生態系のバランスの崩れの歴史的な例です。1950年代後半、中国は「四害運動」と呼ばれるキャンペーンを行い、ネズミ、ハエ、蚊、そしてスズメを標的にしました。特にスズメは、穀物の種を食べて農業に損害を与えるとされ、駆除の対象となりました。
しかし、スズメの数を大幅に減少させることで、生態系のバランスが崩れました。スズメは昆虫を食べる鳥であり、昆虫の数を自然に制御する役割を担っていました。スズメの数が減ったことにより、作物を食べる昆虫の数が急増し、作物への被害が拡大しました。この出来事は、すでに広範な飢饉と経済的困難に直面していた大躍進時代において、農業の課題をさらに悪化させました。
この事件は、生態系の複雑な相互依存関係と、それらを十分に理解せずに変更することの潜在的な予期せぬ結果を浮き彫りにしています。生態系の自然なプロセスに対する人間の介入のリスクについて、科学的な理解と生態バランスの考慮が十分でない場合の警告の例として挙げられます。
画像はWikipediaより