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地下鉄日比谷線の地下鉄が走るたびに、ゴーゴーと音のする映画館。そんな映画館を嫌う人もいれば、それが懐かしいと歓ぶ人もいる。
さすらいが通った地元の映画館も、道を隔てて国電中央線が走っていた。ただ電車の音などは聞こえなかった。それでもトイレの臭いや映写機の回る音や、タバコの煙などが映写機の光に映っていたのが、懐かしく思い出される。
銀座シネパトスに通いだしたのはつい最近のこと。それが閉館と聞き、本当に寂しく思っている。何回目の時か、鈴木支配人に武蔵野舟木組の名刺を渡した。それ以来覚えていてくれて、会釈を交わすだけで、自分がこの映画館の常連のような気分で嬉しくなった。
銀座シネパトスの最後の映画は「インターミッション」ここで作られ、ここでしか上映されない映画。毎日たくさんの映画ファンがここを訪れる。と言っても、その数は多くはなく、超満員ということではない。地下街の中央にある喫煙所には、たくさんの人が立ち寄り、タバコをくゆらせながら、「ありがとう銀座シネパトス」の書き込みを見、頭上のスターたちのサインを見上げている。
シネパトスⅠには、撮影に使用された座席にシートが掛けられている。そこには座った俳優さんの名前が書いてあり、そこに座って見ていると、その場面が出てくる。
ただ私は、よく見なかったので予約席と思って、わざわざシートを避けてしまった。これからご覧になる方は、ご希望の椅子に座られるのが良かろう。
ロビーには出演者、スタッフの寄せ書きがある。
大瀬康一さん、寺島咲さん、小山明子さん、香川京子さんのサインも見られる。