よく「人は変わらない」と言います。また、「人は常に成長することができる」とも言ったりします。
どちらも当たらずとも遠からずといったところでしょうか。
しかし実際には、変えられること、成長することは多いのです。そうでなければ、我々の社会は動物社会と一緒で、十年一日のごとく進歩しないでしょう。

比較的容易に(もちろん相応の努力は必要ですが)変えられる、学べるのは、
・一般的知識、技能(仕事や組織、社会に関する広い知識、技能)
・日常業務の処理能力(正確さ、スピード、質)
・専門的知識、技能(担当の仕事に関する深い知識と技能)    
・コミュニケーション(口頭、文章)
要は生きていくために必要な知識、スキルの部分です。我々はこれらを日常的に活用しているため、すなわち機会が多いためにより学べるし、学びやすいのかもしれません。

次に、変えられる、学べるのですが、相当の努力を有するのは、
・理解力(相手の言った内容を受け止める能力)
・洞察力
・意思決定の能力(適時性、適格性、内容)
・実行力
・調整力
・統率力
・傾聴
・変革のリーダーシップ
これらはお分かりの通り、多くが社会において、特にマネジメント面で求められる能力であり、発揮できる機会(経験)とそれを内省する機会がないと身につけることはできないといっていいでしょう。

しかし、変えることが難しい、学ぶことが事実上難しいこともあります。
・思考力(概念化、演繹、帰納)
・独創性
・エネルギー
・精神的スピード

いかがでしょうか。
人間の能力は大部分は変えることができます、学べるのです。
時々、「あいつはいつまでたっても成長しない」などと部下の成長を否定する管理職がいます。
こういう人は部下に期待しませんから、部下はそれに気づき、成長につながる行動を余計にしなくなる可能性が高まります。管理職としては最も気をつけなければならない言動です。

人はいつでも変わることができます。しかし、何もしないで、あるいはたいして努力をしないで求めても無理でしょう。相応の努力により変わることができる、成長できるのです。しかし時々それを忘れてしまい、自ら成長を阻害してしまう、そういう隘路には入り込みたくありません。