QCサークルと聞いてすぐにわかる人は50代以降の方か、製造業関係の方でしょうか。
QCサークルは、(財)日本科学技術連盟が1962年4月に発行した「現場とQC」誌の創刊を契機に誕生しました。
QCとはQuality Control、すなわち品質管理のことで、QCサークルとは品質管理を現場主体で行う小集団活動のことをいいます。
「現場とQC」誌の初代編集委員長である石川馨氏(当時東大教授)が、創刊号の巻頭言において、各企業の現場でのQCサークルの結成を呼びかけました。

QCサークル活動は1980年代がピークであり、その後90年代に入りサークル数は減少します。
“90年代はバブル崩壊から長期不況に陥り、また製造業の国際競争が激化し、それらに起因する製造拠点の海外移転と日本国内の事業所の再編、そして、それまでの「日本的」な経営管理手法を見直す”(小川 2011)などの結果、小集団活動も影響を受け実施する企業が減少したのです。


いったんは減ったサークル数ですが、2000年代に入りサークル数は増加に転じ、現在は全国で5万サークルを超える活動が行われています。
大企業における活動が主であり、中小企業、小企業やサービス業などに広げることが課題のひとつでもあります。
活動報告を見ると、品質管理活動が、いかに現場の社員の熱意と努力に支えられているかがよくわかります。
また、品質向上のために、そんな細かいところまで改善を試みるのかと、感銘するとともに心から敬意を感じます。
日本企業の強みはこうした現場力にあることはいうまでもなく、QCサークルのような仕組みの存在が日本企業の強さの源泉でもあると思います。

このように90年代に減ったサークル数が現在増加に転じたのは、新しい企業やサービス業、医療関係などに活動が広まったのが主な要因ですが、これはQCサークルが時代を超えた普遍的な活動であることの証しです。
現場の社員が自主的に問題を発見し、目標をたて、自ら分析して問題を解決し、目標を達成するのがQCサークル活動ですが、このことによって、1人ひとりは能力が向上し、企業成果にもつながります。
また、自己啓発、相互啓発を推奨していますので、白ら積極的に学ぶだけでなく、他の人の助言や指導に卒直に耳を傾けることを促すものでもあります。

QCサークルを批判する人は、古いとかやらされ感への指摘が多いように思います。
どんな活動もそうですが、時代に合わなかったり、やらされると成果はあがらないでしょう。
どんなことがそうした感を抱かせてしまうのか、その点はよく吟味してそうしたことのないよう活動内容を見直す必要があるのはいうまでもありません。
うまくいっているところは、それぞれ理由があります。
一言でいえば、活動を支えることや人に対してきめ細かく対応しているからということになりますが、内容はそれぞれの企業の事情に応じたものですので、一概にこうすべきとはいえません。

QCサークルが興隆を極めた80年代と異なるのは、当時はどこの企業でも通用した方法が今は必ずしもそうではないということでしょう。QCサークルに限らずですが、多様化への対応は何よりも優先すべき価値になってきています。