少し大きめの紙(模造紙半分くらいが望ましい)を用意します。
自分の、生まれてから今までの歴史のなかで、印象的な出来事を紙に書きます。
出来事はいくつでも構いません。
あまり深く考えずに、今の自分に影響を与えた出来事を直観で選びます。良いことだけでな
く、勇気を出して悪いことも書いていきましょう。
書き方は、時系列を基本として、色マジックを用いて絵や記号なども使って、ビジュアル版“自分史”を作っていきます。

ここからは、数名でワークをします。
できた“自分史”を使って、自分はどういう人間なのか、影響を与えた出来事と今の自分の関係などを明らかにしながら、ストーリーを意識して、起承転結があればなおいいですが、メンバー全員に説明します。
メンバーは7、8名以内が適当です。それ以上の場合にはグループ分けをするとよいでしょう。)
メンバーは質問をします。話の途中でもよいのですが、あまり頻繁に行うと、ストーリー
がよくわからなくなることがあるので注意しましょう。
全員が話し終わったら振り返ります。話してみて自分の気持ちはどうだったのか、他の人の
話を聞いて何か発見はあったか、などについて意見交換してみましょう。

このワークの利点は2つあります。
ひとつは、自分という人間を、ストーリーで語ることで、聞き手にわかりやすく自己開示できることです。
ストーリーで伝えることで、聞き手の感情に訴え、興味を呼び覚まし、双方の心的距離を近づけるのです。(ロジャー・C・シャンク「観念的に言えば、人間は論理を理解するようにできていない。人間は物語を理解するようにできているのだ。」)
また、聞き手が同種の経験をしていることも少なくありません。そうなるとよりいっそう双方の心的距離は近づきます。(“親近性”が増します)

もうひとつのポイントは、聞き手が批判をせずに、内容を素直に受け入れるところにあります。ストーリーですから興味関心が先にたち、基本的には批判的には聞きません。
我々は話を聞くときに、頭の中で自分の考えと照らし合わせながら聞くことがよくあります。職場では判断や意見を求められることが多いので、こうした批判的姿勢に溢れているといってもいいでしょう。
話を批判的に聞いていては相手のことを理解することはできません。

年に一度くらいはストーリー仕立てで自分を語ることを、特に職場で行うことをおすすめします。
話す方も聞く方も必ず何か発見があるはずです。