今回のオリンピックで気がついたのは、男女混合で競技をする種目が増えたことです。
陸上、柔道、卓球、アーチェリー、トライアスロン等の計18種目、リオ五輪から倍増とのことです。
スポーツは当初は男性のみで行われていましたが、男女平等思想から女性の参加が認められ、オリンピック種目はすべて男女別に行われていました。
そしてロンドンオリンピックからは男女混合競技が導入され、さらに進んで男女融合の動きが出てきたのです。
この動きはスポーツの世界でもジェンダー差別に反対する考えが広まってきている証しですが、そこで頭に浮かぶのは我が国の女性活躍度の低さです。
世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)ジェンダーギャップ指数調査によれば、2021年の日本の順位は156か国中120位(前回は153か国中121位)でした。
前回と比べてほぼ横ばい、先進国の中で最低レベル、アジア諸国の中では韓国や中国、ASEAN諸国より低い結果です。
それのどこが悪い、性差はあり役割も違うのだから今のままでいいという意見をまじめに語っていた会社役員がいましたが、そのような考え方で運営されている企業は、能力のある女性が埋もれている可能性が高く、企業としては損失でしょう。
多くの人がそのことに気がついているからこそ、男女平等、ジェンダー差別反対の論理で様々な制度、仕組みが改革されているのです。
改革の方向はあるにせよ、日本はジェンダーギャップ指数が先進国では最低レベルにとどまっています。
ジェンダーギャップを解消する切り札的な制度としてよく知られているのがクォータ制です。
政治、行政、企業などで性などの属性の割合を一定比率に保ち、属性の片寄りを防ぐ制度です。
ノルウェーが先進国で1988年に男女平等法が改正され,公的決定の場の「40%クォータ」が明記され、現在では内閣の50%,国会議員,県・市など地方議員の約40%が女性です。
また、民間企業の取締役会にまでクォータ制を導入し,今では上場企業取締役の40%が女性です。
OECD加盟30か国のうち、何らかの形でクォータ制を導入しているのは26か国で、導入していないのは日本、アメリカ、ニュージーランド、トルコの4か国のみです。アメリカ、ニュージーランドは副大統領や首相が女性ですし、企業のマネジャーにも女性が多数いますからクォータ制など導入するまでもないのかもしれませんが。
クォータ制導入に反対する人は男性への逆差別だと言いますが、上記の会社役員のような差別感情の裏返しで、詭弁による正当化ですので議論に値しません。
人間の能力は、性による差がないことは科学的に明らかにされており、性差による片寄りを防止するものとしてクォータ制の導入は急ぐべきだと思います。
個人的には多くの女性部下、女性役職者と何十年も一緒に仕事をしてきましたが、皆さん優秀で性差による能力の差など当たり前ですが感じたことは一度もありません。
ガラパゴスといわれて久しい日本ですが、ジェンダーのような人間の本質に関することまでもガラパゴス化しているのはなぜなのでしょうか。
男性上位思想から発する様々な既得権を男性が守りたいからだとは思いたくありませんが、そのような狭量な発想が主因で、かつ悪いことに、そのことに社会の中枢にいる男性自身が気がついていないのかもしれません。