モチベーション理論は様々なものがありますが、なかでも有名なものがハーズバーグの二要因理論です。
彼はそのなかで、職務満足感をもたらすのは、仕事の達成感、承認、仕事そのもの、責任、昇進、成長であるとしています。
言われてみれば当たり前で、多くの方が同じことを感じているのではないでしょうか。
しかしながら、こういった点に留意して仕事をさせている管理者はどれくらいいるでしょうか。
成果を上げるための方法論や進捗管理に留意して仕事をさせている管理者は多いですが、個々人のやりがいに関することに目を向けている管理者は少ないと思うのは私だけではないでしょう。
組織では生産性向上、成果主義などの視点が重視されますから、どうしてもそれらに目を奪われ、個々人が仕事に関してどのように感じているかなど心の内面に関心が向かないのは仕方がないことと言えるかもしれません。
企業や組織が成果を最大目標にしている限りおそらくなくならない現象でしょう。
MBAなどの経営管理者教育では人的資源管理論はあっても、哲学、文学、心理学などの視点で人を考える機会などほとんどありません。
経済学部、商学部、経営学部など学部課程でも、一般教養課程で人に関する“一般的”な内容をなぞるのがせいぜいで、専門課程で深く学ぶことはありません。
ましてや化学や工学など理系学部では何をか言わんやでしょう。
人については複雑で深淵なだけに扱いに窮してしまうというのが現実なのだと思います。
組織は人がすべてであるとたいていの人は思っている割には人に関する学習が圧倒的に不足しています。
その影響でしょうか、企業や組織では人の視点が軽視され機械的方法論や管理論に埋没してしまっています。
人は誰でも自分の成長に目を向けてくれない管理者には魅力を感じないでしょう。
さらに言えば、そういった管理者を認めている会社に長くいようとは思いません。
以前、チャレンジと称して社長が部下に無理難題を強いていた上場企業がありました。
こうした発言をしてしまう本人の資質はもちろんのこと、それを甘んじて受け入れてしまう組織風土には、人について関心が低い、組織目標の達成に対して人の存在を無視してしまうことが根底にあります。
組織目標の達成は大切ですが、そのために必要なことは機械論だけでは導き出せないのです。