ソクラテスが言ったとされる「無知の知」

知らないことがあるということの自覚が大切だとする言葉です。

我々は経験を積むとすべてわかったような気になり、他の考えや方法を安易に批判したり、無視したりしがちです。

 

ノーベル賞を受賞した経済学者ダニエル・カーネマンは長く人間行動を研究してきましたが、彼によれば、人間は知っていると思っていることについて必要以上に自信を持っており、それを直すのは容易ではなく、むしろ治らないので、そうしたモードに入りやすいことを自覚し続けるしかないと言っています。

 

「勝って兜の緒を締めよ」

「初心忘るべからず」

「井の蛙、大海を知らず」

カーネマンに指摘されるまでもなく、昔の賢人がそうした習性に対して警鐘をならしてくれています。

 

治らない習性ですので、どうしたら治るかを考えるよりも、違った方法で対応したほうが賢明です。

私が時々行うのは、自信があると感じたことについて可視化してみるのです。

やってみるとわかりますが、案外うまく出来ないことが多い。

論理的に飛躍があったり、説得力に欠けたりと、自信が揺らいできて他の視点への一歩を踏み出せます。

うまく可視化できたらそれはそれで自分の引き出しにしまっておく。

謙虚な姿勢が可視化により生まれてきます。

 

自己肯定感のような感覚は生きるうえで必要ですが、特定の知識や技能についての自信は危険です。

 

「目の前には手も触れられていない真理の大海原が横たわっているが、私はその浜辺で貝殻を拾い集めているにすぎない」
アイザック・ニュートン