脳の活動は科学的にはわかっていないことが多く、断言できるものではないですが、多くの心理学者が支持している記憶のメカニズムから脳活動について少し考えてみたいと思います。



記憶には、短期記憶と長期記憶があると考えられています。


短期記憶はその名の通り数秒から長くても数十秒で消えてしまうものです。

PCでいえばワーキングメモリーのような働きをしています。



長期記憶はエピソード記憶、意味記憶、手続き的記憶に分けられます。

エピソード記憶は、「昨日、パーティー会場で、旧知の高橋さんに偶然出会った」というように、「パーティー会場で出会った」という文脈を伴って記憶され、状況を土台にして記憶することをいいます。

意味記憶は、文脈とは関係なく知識となった記憶です。

エピソード記憶とは別に、脳内の辞書ネットワークのようなところに保存されていると考えられています。

手続き的記憶は、ある状況をもとに記憶される反応であり、同じ状況が整うと無意識に行うことができる仕組みと言えます。



我々は物事を考える時、長期記憶にあるエピソード記憶と意味記憶をつなぎ合わせて行っていることが多いと思います。

したがって、思考のメカニズムはずいぶんとエピソード、つまりストーリーに根ざしていると考えてよいでしょう。

だから我々はストーリーに心地よさを感じ、何かを話したり、伝えたりする時にストーリーで行うことが多いのです。

文字のない時代に、語り部がストーリーによって、重要な教えや歴史を伝えていたことは、脳の活動に沿った方法と言えます。



しかしながら、昨今のビジネスの現場では、ストーリーで何かを伝えることは軽視され、論理性、分析などが重視されている感があります。

論理や分析は大切な思考形態と言えますが、私にはどうも脳の一部しか使っていない感じがして、物足りなさが残るのです。



新しい発想が求められる場合に、論理と分析では限界があると感じている人も多いと思います。

ビジネスの現場でもっとストーリー思考を活用していきたいものです。