いつの頃からでしょうか、想定外なる表現が使われ始めたのは。
最近、何か事件や事故があると、責任者が「想定外でした」と言い訳がましく、開き直りともとれる言葉を使うことが多いように思います。
何ごともすべて想定できれば事件・事故を防げるという非現実的な考えを前提にしているようで、こちらが恥ずかしくなるような気持ちがするのです。
人間は完璧ではないので、完全に想定することなどそもそも困難です。
困難ななかでもできるだけ可能性を考慮して様々な方策を講じているはずです。
航空機のフェールセーフ設計
などがその代表でしょう。
そうしたなかで、想定外でしたとあっさり言われると何とも言えない違和感が残ります。
様々な可能性を考慮して対応しましたが、力及ばず申し訳ありませんでしたと謝ったうえで二度と起こさぬよう原因を追究し対応すればいいのです。
想定外なる言葉を使い始めた人は誰かわかりませんが、責任を逃れようとする姑息な考えが垣間見えて、なんともいやな気がするのです。
企業や組織で言い訳のうまい人が責任ある立場になかなか立てないのは、どこでも同じだと思います。
責任逃れをしていれば周りはすぐにわかり、白けたり、場合によっては怒りを買うでしょう。
事あれば責任をとる人が信頼されるのであり、そんなことは社会では常識のはずですが、なぜか集団となると、想定外などと責任逃れの思考、表現が闊歩し始めるのです。
防衛意識がそうさせているのでしょうが、そんな安直な防衛意識は早晩批判され大きなしっぺ返しをくらうことくらい頭ではわかっているはずなのに、です。
こうしたケースでは、おそらく責任者の判断が大きく影響しているのでしょう。
責任を認めて原因追求に集中したい関係者は多いはずですが、上位層にいる人が素直に責任を認めたくないと、想定外などともっともらしい表現で対応してしまうのでしょう。
響きがよい表現の魔力にはまってしまうのです。
想定の逆を想定することは、大きく想定の幅を広げることになると思うのですが、こうした人たちにはそういった発想はないのかもしれません。

