企業や組織でコーチングを取り入れているところはずいぶん多くなってきたと思います。

企業の人材育成をお手伝いしているなかでテーマとして上がることが多く、10年前に比べれば格段に増えてきています。

コーチングの意義や目的がよく理解され、広まってきた証ではありますが、コーチングスキル修得の前に忘れてはならないことがあります。

それは相手との信頼関係です。

どんなに効果的な問い掛けをしても、相手がそもそもコーチを信頼していなければ、聞く耳を持たず、自律的な行動につながる反応を期待できません。

日頃の関わりの中で、お互いの信頼関係をどれだけ築けているかが重要です。逆に言えば、信頼関係が築けていれば、コーチングの経験が浅くとも、相手の心に届く対話を作り出すことができるものです。


信頼関係の構築には、なにをおいてもまず相手を認めることが必要です。

職場では、上司と部下という関係のなかで、経験が少ない部下の意見や判断を頭ごなしに否定する光景がよく見られます。

経験や知識が少ない場合でも、人は自分の判断はベストだと思っているものです。

それを言下に否定されたなら、部下はおそらくその上司を好きになれないでしょう。

自分を認めてくれない人を認めるようには心のメカニズムはできていません。

好きになれない人と信頼関係を築くのは難しく、ましてや心を開いた対話など論外です。

“なるほど、そう考えるのか。もう少し詳しく聞かせてくれる?”

日頃から部下を認め、心から興味をもって、この言葉を発することが信頼関係構築の出発点です。


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