足し算 | 行け! 武蔵小山撞球隊

行け! 武蔵小山撞球隊

長年性懲りもなくビリヤードをつづけてきたおじさんが、
なんだかんだといい加減なことを綴ります。

 
痛風で動けなくてヒマなので過去の記事を読み返していたら、
『ビリヤードは賢いスポーツか』
こんなのがありました。
 
よくもこんな危険な記事を書いたものだと我ながらビックリですが、毒を食らわば皿までという諺もある。
開き直って続きを書いてみることにします。
 
 
「ビリヤードはアホにはできない。」
みなさんもこのフレーズを何度も聞かされた事があると思いますが、これはビリヤードに限った話ではありません。
「野球はアホにはできない。」
「囲碁はアホにはできない。」
私も行く先々で散々聞かされましたけど、たぶんこのフレーズってどの世界でも同じ事を言ってるんだと思いますよ。
だって、「ピンポンはアホでもできる」とか、そんなの聞いたことがありませんから。
 
本当にアホにはできないのか?
このあたりを検証してみようと思います。
 
 
まずは野球
私の友人に2人のプロ野球OBがいて、この2人は現役時代にバッテリーを組んでいたこともあります。
投手が投げる球は普通は捕手がサインを出しますが、まずはこのバッテリーが使っていたサインのご紹介です。
 
例えば最初に指を1本出す。次に2本、最後に3本出す。上の写真は3本出していますね。
そうすると、
1+2+3=6
それで「6はカーブ」とかは先に決めておくわけです。
 
ところが・・・
 
この投手、サイン違いの球ばかり投げてくる。
野球経験者はご存知のように、直球を待っているところにカーブが来てもどうにかなりますが、カーブを待っているところに直球を投げられたら非常に捕りにくい。
サイン通りに投げてくれなきゃ困るんですな。
 
なぜサイン違いの球を投げてくるのか。
それは・・・
 
 
 
 
足し算を間違えていたからです
 
 
諸君は思っているでしょうね。
足し算が危なかしいようなヤツがプロ野球で通用するはずがない、と。
残念でした。
彼、プロで50勝以上してるんですよ。
つまり、とても優秀な投手だったのです。
 
 
『本日の結論』
野球は足し算が危なかしくてもできる
 
 
 
ちょっと余談ですが、この場合みなさんが捕手でしたらどうしますか?
(1)捕球練習をする
(2)この投手に算数のドリルをやらせる
(3)バッテリーを組むのを断る
 
この捕手は考えました。
前の方で書いたように、カーブを待っているところに直球が来たらむずかしいですが、直球を待っているところにカーブが来てもどうにかなります。
そこで彼は、カーブのサインを出した時でも直球が来るつもりで待つことにしたのです。
賢いですね
 
 
さらに余談ですが、この捕手は日本プロ野球を引退した後に台湾のプロ野球に助っ人に行きました。
年俸1200万。
この頃の台湾プロ野球はスーパースター選手の年俸が1500万程度ですので、1200万はなかなかの高給取りです。
 
ところが、これが台湾選手にはおもしろくない。
それでどうするかというと、意地悪でわざとサイン違いの球を投げてくるわけです。
カーブのサインが出た時に直球を投げて恥をかかせてやろうという魂胆ですな。
でもこの捕手にその手は通用しませんでした。
「今度日本から来た捕手はうまい!」
割と早めに信頼を得たそうです。
 
 
野球に高等数学は必要ないでしょうが、こういう工夫というか知恵というか、それは必要だと思います。
 
 
 
さて、「○○はアホにはできない。」。
どのスポーツ種目もみんなこれを言いますけど、こうなったら試しに学科試験をやったらどうなるんだろう。
球屋に行ったら、キューを組み立てる前に学科試験をやるわけです。
それで不合格だったら退場
 
でもこれを実施したら、競技人口は激減するでしょうね。
私は100%不合格ですので、ビリヤードをやりたくなったらその前に勉強しなきゃいかん。
まあその頃には、日本の球屋は客がいなくなってほぼ壊滅している気もしますけど。
 
 
次回は恐怖の「足し算ビリヤード編」です。
賢いみなさんも賢くないみなさんもお楽しみに。