既に朝焼けが始まっている。時間は朝の六時。
名古屋を出た青い流星号は、東名高速から首都高を抜けて京葉道路を走っていた。途中、高速のパーキングエリアで休憩を取りながらの運転で流石に疲れていたが、十時までに部屋に到着しなければならない。引越しの荷物は今日の朝、十時頃に到着することになっているのだ。
きれいな朝焼けで新しい生活が始まる
しかしここまで来ればもう着いたも同然だ。京葉道路を抜けて高速道路の市原インターを降りるとすぐに引越し先のマンションが見えてくる。
マンションの駐車場に車を停めて、軽い朝飯を買いに、道路を挟んだ向かいにあるコンビニへ。おにぎりと千葉の道路地図を買った。
早朝の車の中でおにぎりを頬張りながら地図を眺めていると、あった。あったのだ。何があったかと言えば、風呂屋である。しかも漢方の湯である。巻末には電話番号も載っている。今時の道路地図は道以外にも様々な情報が掲載されているのだった。
何を隠そう僕は自宅の風呂には入らない程風呂屋好き なのだ。今の時間は朝の七時だから営業しているかどうかは不明だが、ツレが電話してみた。するとそこは何と24時間営業で、朝の5時から8時は入浴料金が500円だと言っているという。500円の訳無いだろう、1500円の間違いじゃないのか?と思ったがツレは500円だと言い張る。まあいいだろう、間違いなく1500円の間違いなわけだが、この時間だからそれくらいの負担は仕方ないし、もしも万が一本当に500円ならお得なのだからオーケーである。
で、腹ごしらえ出来た我々は地図を頼りに漢方の湯へと向かった。
やっぱり置き去りちゃん。
(この車は青い流星号ではありません。スミマセン)
買った地図が解りやすかったのか、それとも運転者の能力が高かったのか、車はすぐに漢方の湯に到着した。時間はまだ午前七時半頃なのに、数十台は入る駐車場はほぼ満杯だ。驚き と共に期待も高まる。
僕ら二人は名古屋での誓いをいとも簡単に反故にし、ボーズを再び置き去りにして車を降りた。誓いの意味など何処へやらである。酷い。あまりにも酷い我ら(汗)。
でも振り返らない。それがルール(笑)。
つづく