おばあちゃんの家を離れて僕の部屋にやってきたボーズくんは、元気いっぱいで部屋中を走り回っている。半べそをかきながら見送ってくれたおばあちゃんたちの事など、すっかり忘れてしまっているようだ。コイツのおかげで、転勤が決まってしまってヘコミがちの僕の気持ちも少し癒されていた。まるで我が子の悪戯を、目を細めて眺めている父親の様にボーズを見ている自分に気づく。元々犬好きの僕だったが、こんな気持ちになった事は今まで無かったよ。ありがとうありがとう。
しかしそれでも黙って看過できない状況が発生した。消化器系の最終段階問題である。平たく言えばう○ちとおしっこの処理だ。
ボーズはおばあちゃんに甘やかされていたせいか、それとも僕のところに来てどこでイタシたら良いかととまどっているのか、あちらこちらで両方漏らしてくれます。う○ちの場合、走り回っていたかと思うと突然背中を丸めてガニマタになり、その奇妙で不気味な格好のままよちよちと前進しながら出します。だからおしっこ用マットの上に抱え上げて移動させてもそこからはみ出して行ってしまい、はみ出しきったところでプリプリぽとん。
うんちして喜ぶボーズ
(自分で片付けなくて済むから)
うわあ!やめてくれよ読みかけの雑誌の上にそれを落とすのは!キレイな水着のお姉さんが微笑んでるのに。それもお姉さんの顔の上。まあおっぱいの上を外れただけでも良しとするか。ってそんな問題じゃない!
う○ちの次は当然おしっこです。
こちらはう○ち以上に突然始まりかつその時の体勢の変化に乏しいため、当初は放水が始まるまでほとんどそれに気づけなかったのでした。
白黒の怪獣の不気味な体勢から繰り出されたう○ち攻撃でキレイなお姉さん台無し。まさか彼女もこんなところでこんな酷い目に遭わされているとは夢にも思わないだろうなあ気の毒に。
いやいやちょっと待て、本当に気の毒なのはお姉さんじゃなくてこの僕じゃないか!読んでる途中の雑誌にこんなことされて、男だったら反撃しろ反撃!って幼い仔犬に反撃って言ってもなあ。躾けてない自分が悪いんだし。それはまあ今後の話だからな。
そして結局僕とツレは二人がかりで黙って後片付けをするだけなのであった。ほとんどはツレがやってましたが。
男の子でも仔犬だから片足を上げたりはしないのだ。で、ふと見ると下に向かって流れ出ている液体を発見して慌てる事に。結果、廊下、布団、座布団他至る所に黄色い染みや水溜りが発生。
放水が始まってから慌てて敵を抱え上げても、出始めているモノは止まらないために辺りに撒き散らしてしまって却って被害を広げる事になった。
どうしたらいいものかと思案している間にも敵の攻撃は止まらない。
あちらでじょんじょろ、こちらでじょんじょろ。それが「新鮮」な間はそれほど臭わないのだけれど、乾くとこれが臭い。でも仕方ないのでしばらくは諦めておしっこだらけ部屋で暮らしていたのだけれど。
この後、ボーズの放水によって、かつてないピンチが僕を襲ったのでした!
続きは次回へ!人の不幸を笑うな!