奇跡的に、

5日(木)~6日(金)まで

夫、自宅で一泊できました。

 

 

5日の日、

例によって例のごとく、

病院から電話がかかってきて

 

「主治医が奥様と病状について

お話したいと言っているのですが」

と言われ、

 

ナースステーションに行くと

ぎょろ目の緩和の先生がいて。

 

もう何言われるかなんてわかりきっていたので

「ぶっちゃけ、あと何日ぐらい持ちそう?」

って聞いたら、

 

「今日か、明日か・・・。

今は落ち着いているけど、

いつ、急に苦しみ出すかわからないよ」

 

と言われ。

 

そりゃそうだよね。

腸閉塞をほったらかしにしている状態なんだもん。

 

それでも、まだお家に帰る気満々な夫に

それは残酷すぎると思い、

 

「じゃあ、もう二度とお家には帰れない?」

 

って聞いたら、

 

「家、遠いでしょ。体力も消耗するし、

家で死ぬかもしれんよ?

それでも帰宅するかね、

家で死んだりしたら、大変な事になるよ?」

 

と言われ、

 

「いいよ、やる。やるよ」

 

と即答。

だって、最期だもん。

今やっとかな、一生後悔するがね。

 

 

そしたらお医者が、看護婦さんに相談してくれて、

今朝、いい便も出ていたし、

割と元気そうだし、

 

やってみるか!

みたいな話になって。

 

そのまま、モルヒネぶら下げた夫を連れて、帰宅。

 

そして、腸閉塞、と言われていた割には

夫、夕方ごろ、うんこ。

そして夜中、何度も起きては、うんこ。

 

腹膜の癌が腸を圧迫していて、

腸がまったく動けない状態、

 

と、説明されいたし、

そういう悲惨な白黒画像も見せられていましたが、

 

何故か、

 

「1週間、霊気をサボって増えた癌なら、

1週間分の霊気をすれば何とかなる、

腸閉塞ぐらいだったら私の力でどうにかできる」

 

という確信があって、

 

暇をみつけては霊気、

運転中も霊気、

 

夜中に夫がトイレに行ったり、おえおえしていたりして

それにつられて目を覚ます度に、霊気、

 

とやっていたら

本当に何とかなりました。

 

そんな訳で、まだ生きてます。

 

夫は霊気のせいか、

なんだかとても元気で、

 

病院の売店で

「インスタントうどんが食べたいから買って」だの、

帰宅したらしたで

「杏仁豆腐が食べたい」だの言い、

 

ずっと、水を飲んでも吐いていたのに

コーヒーを飲んでも吐かなかったり。

 

そんなだから、

「これが最後の帰宅の可能性99%」

という感覚ではなかったんですよ。夫。

 

もう帰れなくなって後悔させるのも可哀想だったので、

翌朝

 

「お医者さんは、いつ死んでもおかしくないって

言ってる状態だよ、

これが最後の帰宅かもしれないから

後悔のないようにね」

 

またしても辛いお役目を果たしたのでした。

 

夫は「そんな風には思えない」と言っていて、

実際、腸閉塞の状態での主治医の判断が

それだったので

 

この先の事は、誰にもわからない状況。

 

また、1週間の帰宅中にあったように

癌がものすごい勢いで増えて・・・

という事もあるかもしれないし。

 

だから、

死にゆく夫もそうだけど、

 

残されるこっちも、やり残しがないように

1日、1日を大切にしないといけないのでした。

 

夫が逝く前に、

親子3人で川の字になって寝たいと思っていて、

だから急に「緩和」という話になった時に

 

「もう最後が近いのなら、夫のそばで寝ればよかった」

と激しく後悔したのですが、

 

とりあえず、こないだの一時帰宅で

それは叶えることができました。

 

 

ただ、夫からは

「寝れない」と苦情を言われ、

次の帰宅があるのであれば、いつも通り

一人で寝かせて欲しいという要望で。

 

あのさー、

どうせ死んだら、ずっと寝てんだから、

今ちょっと寝不足でもいいでしょ?!

 

と怒っておきましたが。

 

 

だいたい。

抗がん剤やモルヒネなどの猛毒を

がんがん、身体に入れておきながら

 

杏仁豆腐の缶詰が中国産かどうかをしきりに気にしている

 

あたり、もう、

矛盾シマクリータじゃないですかっ。

 

もう、あとわずかの命なんだから、

好きなもの食って、シネYO!

 

まあね。

そういう問題じゃないんだろうけどね。

 

 

そんで、やり残しシリーズとして、

これだけは言っておかないと、と

思っていた懺悔も、ちゃんと言えました。

 

 

子供を欲していなくて、だけど夫に子供を望まれ、

不自由な子育て生活に不満だらけでイライラして、

「私の結婚生活、こんなハズじゃなかった」と

ブチ切れるたびに夫にぶつけていたのですが

 

そうやって怒ってしまっていたのは、

私自身の未熟さで、

 

私はこの結婚で、夫の娘になる事を望んでいたものだから、

娘ばかり、お世話を焼いてもらえて

自分は子育てでテンテコマイになる、という状態が

どうしても納得がいかなかったんだ、

 

チビはキーって怒っても、可愛い、可愛いで許されて

でも同じ娘である自分は許されない、というのが

嫌だったんだ、

 

娘にやきもちを焼いていただけだし、

拗ねていただけで、

 

あなたの事を嫌いで

「もうやだ、離婚だー!」なんて言っていた訳じゃない、

許してね、

 

伝えることができて、

 

私としては、

やり残しは、もう、ない、

と思う。

 

あとは、夫に「いい人生だった」と

思ってもらえるように、

 

帰宅が可能なら帰宅できるようにし、

何か食べたいものがあれば

どうにかして手に入れたい。

 

そんな感じです。

 

 

もうすぐ人が死ぬ、

っていう状況って、

人の関心をひくんですねぇ。

 

ブログのアクセス数がとんでもない事になってます。

 

フェイスブックでも、

点滴管理中は「ナースのコスプレしてパンチラを

冥土の土産に・・・」なんて書けば

 

「女医さんで、白衣から黒ブラすけすけもアリ」

とコメントいただいたり、

 

「奇跡的に一時帰宅が叶った」と書けば

「やっとけ」とコメントいただき

「腹上死か?」とお返事させていただいたりと、

 

おおいに、盛り上がっとります。

 

あとは、死ぬ間際、夫に何を言わせるか問題です。

 

フランダースの犬をリクエストすべきか、

ラオウ様(我が生涯に一片の悔いなし)をリクエストすべきか。

 

「愛してるよ」なんて言われると

最期の最期に

「小林麻央かっ!」と裏手で突っ込んでしまいそうなので、

それは、どうかな、と思っています。

 

 

という訳で、

皆様も後悔のない人生を。

 

 



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