「公益社団法人ギャンブル依存症問題を考える会による合唱コンクール」の開催を紹介していた記事のタイトルだ。何のことやら、と興味津々で読ませて頂いた(毎日新聞6月30日夕刊)。



6月6日に東京・銀座で開催されたコンクールには、ギャンブル依存症の家族、児童養護施設の職員と子どもたち、我が子の非行と向き合う親たち、知的障害のある子どもたちと歌う合唱団、わずか5人の高校合唱部など26団体の出場があったとのこと。「誰でも再起できる社会」を目指そうという、各々の思いが込められたハーモニーが次々に披露されたようだ。

この記事を書いた小国綾子記者は、9年間一緒に歌ってきたという代々木病院精神科デイケアの「ハートビートコーラス」の仲間たちと出場し、星野源さんの「ドラえもん」を歌われたとか。歌詞にある「だからここにおいでよ/一緒に冒険しよう/何者でなくても世界を救おう」に、依存症や精神疾患と向き合う人たちが生きやすい社会をつくろうという思いを込めたと記しておられた。

小国記者がおっしゃる通り、歌には思いを込められるし、それが独唱ではなく合唱なら、さらに豊かで力のある思いを聴く人に届けられるに違いない。審査員の一人で、薬物依存症の啓発活動に取り組んでおられる高知東生さんは講評の途中で感動の涙を流されたらしいし、客席からもすすり泣きが聞こえてきたとのこと。素晴らしい。

合唱には孤独や不安の解消、メンタルヘルスの改善に効果があるとの研究結果から、イギリスでは健康問題を抱える住民に薬を処方するのではなく、合唱団や地域農園などコミュニティへの参加を促す「社会的処方」が注目されているらしい。なるほど、だから合唱は「人薬(ひとぐすり)」で「音薬(おとぐすり)」なのだ。