ソプラノ富永美樹さんとメゾソプラノ久利生悦子さんのコンサート、「Le Lion Concert Vol.3」にお邪魔した。ピアノは小滝翔平さん。

 

 

第一部は「ロミオとジュリエットの世界」と題し、オペラ「カプレティ家とモンテッキ家」から2曲、オペラ「ジュリエッタとロメオ」から1曲、そして、ミュージカル「ウェストサイド物語」から3曲を歌われたが、会場に向かうべく私の乗っていた京王井の頭線の電車が途中で止まってしまい(沿線で火災事故があったらしい)、残念ながらオペラの3曲は聞き逃し、「ウェストサイド物語」の「I feel pretty」、「Somewhere」、「Tonight」はドア越しに聞くこととなった。

 

「I feel pretty」は若いエネルギーと希望に満ちた歌声だったが、恋人トニーが兄ベルナルドを殺したことを未だ知らないマリアが無邪気に歌った曲とのこと。心が痛む。「Somewhere」の歌声には祈りを感じたが、どこかに安らぎの地があって欲しいと願うマリアとトニーの歌だったのだろう。「Tonight」は「ロミオとジュリエット」に出て来るバルコニー・シーンに相当するんだとか。ホールの中で聞いてみたかった。

 

第二部は「昭和歌謡と悲劇オペラ」と題し、富永さんと久利生さんが4曲の昭和歌謡を歌われ、次にピアノの小滝翔平さんがショパンの「スケルツォ第2番」をソロで披露された後、再びお二人が出て来られ、悲劇オペラから3曲を歌われた。富永さんは松田聖子の「瞳はダイヤモンド」を、久利生さんはちあきなおみの「喝采」を歌われたが、どちらも豊かな感情が溢れ出るような歌いっぷりで大きな拍手が湧いた。


圧巻はオペラ「蝶々夫人」の「花の二重唱」で、蝶々夫人の富永さんとスズキの久利生さんがピンカートンの帰還を知って喜び、花びらを撒いて出迎えの準備をする歌声が喜びに満ちていただけに、結末を思って心が痛んだ。アンコールにはピエトロ・マスカーニの「アヴェマリア」を歌われた。オペラ「カヴァレリア・ルスティカーナ」の間奏曲に歌詞が付けられたもののようで、この間奏曲が大好きで、バイオリンで練習している我が身としては、大変嬉しいアンコール曲となった。