この本を読み終えるのに1ヶ月も掛かったのは、担任の先生から出来の悪い通知表を渡され、こんこんと説教されているような気分になったからだ。少し読んでは考えさせられ、少し読んでは考えさせられ、という繰り返しになった。



「はじめに」で、ドイツに抜かれたGDPが間もなくインドにも抜かれ、世界第5位になるという予想から「政府も企業も労組もぬるま湯に浸ってきた」と書いておられる。これは担任の先生から「ボル君、算数までは出来てたけど、数学になってから完全に落ちこぼれたね」と言われた気分(笑)


又、野口悠紀雄さんの「太平洋戦争の戦時下で導入され、強化された社会経済の仕組みの多くが戦後も生き残り、官僚が主導する中央集権的財政体制や年功序列などの企業経営の手法などが残っている」という指摘も紹介されているが、これは「君がラグビー選手だったことは知ってるけど、もう現役でプレーはできないよね?いつまでジャージを着ているの?」と諭された気分(笑)


例として上げておられるトヨタ子会社などの認証不正、東京五輪の汚職談合、自治体で目立つパワハラやセクハラ、旧ジャニーズや宝塚歌劇団、日大アメフト部で発覚した事件などには、何となく日本にはそういう体質が残っているように感じていただけに、私まで共犯にされたような暗い気持ちになった。


ただ、だからと言って米国や中国、ドイツやインドと真正面から競い合うというのは違うように思う。この際、日本が持っている資産(人、モノ、お金、債権、国土など)と負債(国債、地方債など)を全て棚卸しして、10年後、20年後、30年後の国家像を各政党にプレゼンしてもらうのはどうか? 安心して暮らせる今の生活も大事だが、将来を生きる子供や孫たちへの責任が私たちにはあるように思う。