丸紅に同期入社した友人から電話があった。商才と度胸に恵まれ、海外でも日本でも荒稼ぎをしたという噂を聞いたことがあるが、私に尋ねたいことがあるとのことで電話をしてきたものだ。声は元気だし、質問の意図と経緯説明は明確だし、用件そのものは10分程で済み、その後は互いの近況報告をした。
(私がお世話になっていた頃の丸紅ビル。同期入社には日本代表のラグビー選手がいたし、先日の自由民主党の総裁選に立候補した政治家もいた。懐かしい!)
彼は丸紅を退職後、「一人総合商社をやっている」と言ってきた。「一人総合商社」という説明に思わず笑ったが、商社には強力な管理部門があったから、彼は元々持っていた営業力や語学力に管理部門から学んだ財務や法務の知識を加え、彼に相談すれば何とかなるという信頼を勝ち得たのだろう。大したものだ。
私たちが丸紅に入社した頃、総合商社の武器は「ヒト、モノ、カネ、情報」だと教えられた。これらは今もビジネスで成功するに必要な武器だろうが、結局、モノもおカネも情報もヒトが引っ張り出して来るものだし、彼はその才能と人柄で回りからの信頼を得、モノやおカネ、情報を引き寄せては自在に新たな組合せでビジネスモデルを作ってきたのだろう。私より元気な69才を見付けて気合いが入った(笑)