外資系のホテルが運営している会員制ツーリズムの組織への入会を勧められた。説明を聞くだけでプレゼントがもらえるし、聞き流せば済む話だと考えて説明会に出たのだが、紹介される宿泊施設の写真や具体的な数字を伴う説明に次第に引き込まれ、最後はメモまで取り始めていた。



簡単に説明すると、その外資系ホテルが自ら運営しているコンドミニアムの「一週間オーナー」になると毎年一定のポイントがもらえ、そのポイントの範囲内で同社が自ら運営しているコンドミニアムやホテル、更には提携しているホテルや旅館、コンドミニアムなど世界中に散らばる1万を超える宿泊施設を使えるのだという。


オーナーになると、後は年間管理費だけの負担になるので、高価な部屋のオーナーになればなるほど(投資金額が大きいほど)、割安で宿泊できることが分かったし、更にはオーナーになった物件に希少価値があれば高く売れる可能性があることから、「高価な物件から売れ始めているんですよ」という説明にも納得がいった。


最終的には入会を見合わせたが、説明を聞く内に、日本にも帝国ホテルのような立派なホテルがあるのに、なぜ、こういう仕組みを作れなかったのだろうと気になった。多分、日本の歴史の中では、国境を越えて余暇を楽しめる時代が来るとは想像もできなかっただろうし、逆に、国境を越えてアメリカにやって来たご先祖様を持つアメリカ人には市場を大きく見ることのできる遺伝子があるのだろう。


日本はますます人口が減少し、いろんな市場が縮小していくのだから、遅まきながら、私たちも市場を大きく見ないといけないのかなと思う。