登別温泉に湯澤神社という神社があり、お参りしようかと思ったら、旅行者の方が神社に至る石段の前で写真を撮っておられる。ところが、スマホの先には誰も立っておられないから、いったい何を撮ろうとされているのかとその先を見たら、なんと立派な角を生やした鹿がいた。



どう見ても野生の牡鹿で、山から降りて来たのだろう。空腹なのか、脇目もふらず葉っぱを食べている。これが熊なら、写真を撮るどころではなかったろうが、翌日、洞爺湖温泉に向かう山中でも車の前に鹿が飛び出して来たから、私たちと野生の動物たちの距離は縮まっているのだろう。


そんな話をしながら洞爺湖で中島に向かうフェリーに乗船したら、乗客が食べものをくれると知っているのか、カモメが団体で近寄ってきた。乗客がかっぱえびせんを指に挟んで掲げると、器用に速度と高度を落としたカモメが接近し、くちばしでかっぱえびせんをついばむと、そのまま飛び去って行った。その決定的瞬間を偶然にも撮れた。


野生動物との共生には難しい課題があるのだろうが、多分、我々人間は地球に住む生きものの中では最も新参者なのだから、我がもの顔で暮らし、好き放題に環境を変えたりしてはいけないのだと思った。