インターネットで本を購入すると、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」みたいな案内が出てくる。その案内に素直に従い、「70才の正解」から「老いては『好き』に従え」、そして「人生は70代で決まる」にたどり着いた。これは綾小路きみまろさんが書かれた本だ。



ステージではオジサン・オバサン相手に失礼なことを言いたい放題なのに、なぜ皆さん大喜びして笑い、きみまろさんに大きな拍手まで送るのか、それが不思議だったが、その理由が分かったように思う。きみまろさんは、そういうオジサンやオバサンが大好きで、頭が禿げようが、体型が変わろうが、はたまた夫婦間の恋愛感情が冷めようが、あなたはあなたのままで良い、堂々と生きてください、というエールを送っておられるのが分かるからだろう。

そのきみまろさんを感心させた老人ホームにいる88才の老人が出てくる。「長生きの秘訣は?」と尋ねられた老人は「そりゃ決まってる。息をするのを忘れないことだ」(笑)  更に「あの世はどんなところでしょう?」と尋ねられ、「そりゃ良いところに決まっている。あの世から戻ってきた人間はいないからな」(笑)

きみまろさんを唸らせるとは大したものだ。最後に、きみまろさんの漫談のネタを一つ。場所は病院だ。

「患者さま、どうぞ、お入りください。どうなさいました?」
「せ、先生、私、このシワ、隠したいの。どうにかなりません?」
「奥さん、シワを隠す前に、その顔を隠しなさい。そうすれば、シワも分からなくなるから」

私がこんなことを言おうものなら間違いなく病院送りだ(笑)