お正月に頂く年賀状が減ってきた。ここ数年、「年賀状のご挨拶は本年限りとさせて頂きます」とか「今後はSNSでのご挨拶とさせて頂きます」というメッセージが多くなってきたから、年賀状離れが加速しているのだろう。



そんな中、「年賀状は平安時代から続くコミュニケーションです。私は続けます」と書いてこられた方がいた。平安時代は言い過ぎではと疑い、調べてみたところ、確かに平安時代に始まったとする解説が出てきた。なんでも、藤原明衝(989~1066)という貴族がまとめた手紙の文例集に年始の挨拶が出てくるらしい。年賀状には千年の歴史があるのだ。

さて、私にとっての年賀状はどのようなものかを考えてみた。毎年12月を迎えると、翌年の干支にまつわる諺を探し、それに合うイラストを考えて描く。その時間が楽しいこともあれば、印刷屋さんの締切りが迫って焦ることもある。そうこうする内に年の瀬を実感し、新年のことを考えるようになるので、私にとっての年賀状は新年を迎えるための「準備体操」なんだろう。私の年賀状を受け取る皆さま、今しばらく準備体操にお付合いください。