帯にある通り、資産家とサラリーマンと地権者という三種類の人間が住んでいる「タワマン」(タワーマンション)が舞台だ。
資産家の開業医一家、夫婦揃って都市銀で働くサラリーマン一家、そして定食屋をしていた地権者一家が登場するが、それぞれに小学校6年生の息子がいたことから、経済力や社会的地位、息子の成績や中学入試に絡む教育方針などをついつい比較し、優越感や劣等感、嫉妬や羨望、共感や反感を味わいながら、各登場人物がこれまでの人生を振り返っていく。
悪人は一人も出て来ないし、各々の思いや発言、行動に多々共感できるものがあり、タワマンと言えども社会の縮図なんだと思えてきた。救いは各々の息子たちが見せる成長か。子供たちは親とは異なる時代を生きるのだから、邪魔をしてはいけないと改めて気付かされた。
