ソプラノ歌手、田村麻子さんのお母さまからコンサートのご案内を頂いた。

 

 
ご案内には「ドイツの後期ロマン派を代表する詩人シャミッソーの『女の愛と生涯』・・この連作詩を歌曲として作曲したシューマンとレーヴェの2人・・この1つの詩から生まれた2つの歌曲集を田村麻子が歌い、それらをモチーフとした作品を田野聖子が演じる」とあった。何のことやら良く分からないまま会場へと向かったが、会場を出るときには感動で胸がいっぱいになっていた。
 
シューマン作曲の歌曲は先ず田村麻子さんがピアノ青木ゆりさんの伴奏で物語の8曲をドイツ語で歌い上げ、次に入れ替りでステージに出てこられた田野聖子さんが主人公の女性を一人芝居で演じられた。物語は一人の女性が身分の異なる男性に恋をして結ばれ、娘に恵まれて幸せな生活を送るものの相手の男性が急逝し・・という生涯を描いたものだったが、歌と演技では表現方法こそ異なるものの、こちら側の想像の範囲や仕方も異なって来るから、大変興味深いコンサートになった。
 
レーヴェ作曲の歌曲では田村麻子さんと田野聖子さんが一緒にステージに上がられ、田野聖子さんが現代を生きる女性を演じ、田村麻子さんが日本語でそれぞれの曲を歌い上げられた。田村麻子さんの歌声には感情の深みと力があるし、田野聖子さんの演じる女性には現実味があって親近感を覚えたから、私にとってはシューマンの作品より素直に受け容れることができて、その分、感動が大きかったように思う。
 
ステージの最後は、主人公の女性が結婚する孫娘を送り出す場面であったが、私の妻が結婚する孫娘を送り出すところを想像してしまい(注:孫娘は二人ともまだ7歳です・笑)、その分、グッと胸に迫る場面になった。アンコールの拍手に応えて3人がステージに戻られ、最後に青木ゆりさんが「トロイメライ」を演奏されたが、これが心にしみ入るような音色で、うっとりしてしまった。素晴らしいコンサートだった。