階段で転んで額を負傷し、救急車と救急病院のお世話になってから4週間経った。抜糸も終わり、痛みも腫れも引いから怪我したことも忘れがちだが、絆創膏が目立つのか、「どうされました?」と今も聞かれることがある。


そこで、事細かに説明を試みるのだが、私が階段を踏み外したと聞き、「目測を誤られたんですね」と言ってくださった方がいて、これは上手い表現だと思い、以後、「目測を誤りました」を連発してきた。が、ある日、これは違うと気が付いた。予定していた場所まで私の一歩目の右足が到達しなかったのだから、目測を誤ったのではなく、自分の運動能力を見誤ったのだ。


それからはいろんな「見誤り」があるのではと気になり出した。ウクライナに侵攻したロシアに見誤りはなかったか。それを迎え撃ったウクライナに見誤りはなかったか。対立が続く米中各々に見誤りはなかったか。金融緩和を続ける日銀に見誤りはなかったか。


そんな世の中の見誤りについて妻に話をしそうになり、しかし、危ういところで口を閉じて黙り込んだ。下手に言えば、「私もあなたのことを見誤ったわ」と言われそうだから(汗)