同志社混声合唱団の重鎮、S橋さんから美術展への招待状が届いた。これまでも何度か「日本アンデパンダン展」のご案内は頂いているが、今回頂いた招待状には「第78回 現展」とある。「現展」は初めて聞いた名称だし、何のことかと調べたら、1948年結成の日本を代表する美術家団体と書かれていた。その団体の公募にS橋さんの作品が入選したのだから、これは凄いことだと会場の国立新美術館へと向かった。


受付でS橋さんからの招待状を出したら、「S橋さんの作品がどこにあるか、お調べしましょうか?」と尋ねられた。一瞬迷ったが、「いや、結構です」とお断わりし、最初から一枚々々作品を見て行くこととした。

 

最初に目を引かれた作品は「MATSURI」という作品だ。大文字焼きに花火や神社の鳥居、賑やかな通りは先斗町か木屋町か。京都人としては素通りできない作品だろう。



 次に良いなぁと思ったの「中世の佇まいが美しい」という作品だ。何度か出張で訪れたイタリアで、このように落ち着きのある街並みを見たように思う。イタリア人は歴史の中で暮らしているんだ、と思ったものだ。



 そして、S橋さんの作品が出てきた。「雲海の高尾山(京都)」という作品だ。雲海が静かに高尾山を下り、街にせまっているように見える。



紅葉が始まっているが、森の緑にも紅葉にも濃淡があって色に深みがある。更には雲海がそれらを柔らかく包み込んでいるから、じっと眺めていると、まだまだ色に変化が起こりそうに思えてくる。絵そのものは静かな風景だが、私はそこに動きを感じた。


字は性格を表すというが、絵もそれを描いた人の性格を表すのではないか。S橋さんは物静かに見えるが、実はじっとはしていられない好奇心や情熱をお持ちなのかもと思う。あまり偉そうに言うと、「じゃ、君も描いてみなさい」と言われそうだが、どんな絵になるかを考えたら怖くて描けない(笑)