面白かった。中帯にある通り、コロナ禍で世界は借金漬けだか、経済規模に対する借金の大きさで見ると、「一番ヤバいのは日本だ」。


アベノミクス、異次元の金融緩和、日銀の500兆円を超える国債保有、そして先が読めない新型コロナウイルスの感染拡大、と昨今の生々しい状況が綴られている。もちろん、小説ではあるが、これは安倍前首相かな? おっ、黒田日銀総裁の登場だ、麻生副総理はこういう方なのか、とモデルにされている人物が目に浮かんでくるので、途中から小説とは思えない緊迫感があった。

「EXIT (イグジット)」とは出口のことで、元々、赤字財政だったところに異次元の金融緩和と新型コロナウイルスに対する財政出動が重なり、日本政府は大きな借金を抱えるに至ったが、これをどうやって返済していくのかという後始末のことを言っておられるのだろう。確かに難しい問題だし、下手をすれば日本円の信用失墜や日銀の債務超過もあり得るということだろう。

しかし、著者の相場英雄さんが一番言いたかったのは、この小説で重要な役割を演じる古賀という登場人物に言わせた次の言葉だろう。「この国には考えることを放棄した人が多すぎる。言い換えれば、馬鹿ばかりです。もはや修正不可能です。」私もそう言われた気がするので、ちゃんと考えようと思う。