昨夜、フジコ・ヘミングさんのコンサートがあった。お名前だけは存じ上げていたが、きちんと演奏を聴いたことがないし、良い機会だと思い、サントリーホールまで出掛けてみた。
最初に驚いたのは、フジコ・ヘミングさんが杖をつき、男性にエスコートされながらステージに出て来られたことだ。80才を悠に超えておられるから不自然ではないが、ピアノを弾けるのだろうかと心配になった。が、私の心配など大きなお世話で、ピアノの前に座られると背筋がピシッと伸び、それが当たり前のように弾き始められた。
次に驚いたのは、ピアノの音色がものすごく優しくて、何か暖かいものに包まれるような気持ちになったことだ。演奏が終わる度に送られる拍手も暖かだったから、フジコ・ヘミングさんの生きざまやお人柄もひっくるめて大好きな方々が詰め掛けて居られたのだろう。
私はクラシックにもピアノにも詳しくないので、一番印象に残った曲について書いておこうと思う。ショパンのエチュード、ハ短調、「革命」という曲だ。激しく燃え上がるような旋律を聴いたことがあり、なるほど、だから「革命」なんだと知ったが、フジコ・ヘミングさんの演奏は激しく攻撃的というよりは、なぜ革命が起きたのか、なぜ革命を起こさねばならなかったのかという人々の悲しみや苦しさが伝わって来るようで、胸を締め付けられる思いがした。素敵なコンサートだった。
