アール・ウォーレンという判事が残した言葉、「私はいつも最初にスポーツ欄を開く。そこには人間が達成したことが記録されている。第一面は人間のしでかした失敗ばかりだ」。最近、新聞を開く度に、本当にその通りだと思う。スポーツ欄が無いに等しいから身を乗り出さないのだ。

そんな中、毎日新聞の夕刊がパラカヌー日本代表の瀬立モニカ選手を取り上げていた。高校一年の体育の授業で転倒した彼女は脊椎を損傷し、胸から下を動かせなくなってしまう。苦しい日々が続くが、元々カヌー選手だった彼女は久しぶりのカヌーで水面がどこまでも平らでバリアフリーであることに気付き、再び競技に取り組むようになる。

その瀬立モニカ選手が沖縄県大宜味村の塩屋湾で練習を重ねているという記事だったが、地元の人たちが彼女のために海面に降りるための木製スロープを作ったり、新鮮な野菜を毎日届けたりしているとか。写真は沖縄で「ゆんたく」と呼ばれる井戸端会議に彼女も参加し、地元の人たちと談笑しているときのものだ。


ここにあるものは法律に基づく行動でもなく、何か宣言があってできた集まりでもない。スポーツ選手が回りの人たちに感動を与え、スポーツ選手はそういう人たちから戦うためのエネルギーをもらう。何と素晴らしい世界か。コロナウィルスのワクチンが開発されたら、先ずはスポーツ選手に回してみてはどうだろう。