素晴らしいコンサートだった。第1ステージは「Colors~ラトビアの人と風景」と題され、ラトビア人の作曲家の作品4曲が披露されたが、最初の2曲はラトビア語、3曲目はラテン語、そして最後の曲は英語で歌われたにも拘わらず、外国語の歌を歌っているという緊張感や不自然さが全く感じられず、痛く感心した。恐らく、全て暗譜による演奏で、全員が指揮者のリードに従い、心を込めて歌われたからだろう。特に4曲目の″Stars″は、水の入ったワイングラスの縁をこすって音を出すというグラスハープが奏でられ、とても感動的な演奏だったように思う。

第2ステージは竹久夢二の詩にピアニストの森田花央里さんが曲を作られ、4曲からなる組曲「青い小径」と「みどりの窓」が披露された。私には最後に歌われた「みどりの窓」が一番心に響いたが、多分、歌詞にある「あんまり早く幸福が来て、あんまり早く幸福がゆかぬやうに私たちは待ちませう」という言葉にグラッと来たからだろう。人生は遅咲きで良いとつくづく思う。尤も私は未だ咲いてないけど(笑)


第3ステージは銀色夏生作詞、上田真樹作曲の男声合唱組曲「終わりのない歌」が歌われたが、解説によれば作詞者も作曲者も女性で、女性が思い描く青年像を男声で歌うとのこと。なるほど、歌詞を読むと純粋でありながら包容力を男性に求める女性の願望のようなものを感じたが、演奏そのものも時に激しく時に優しく変化に富むもので大変良かったと思う。

圧巻は第4ステージの「ラ・マンチャの男」だ。赤のチーフをアクセントにし、黒の上下に身を固めたメンバーが颯爽と現れ、ステージ狭しと動き回り、躍動感のあるステージを披露してくれた。暗譜はもちろんだが、ここまで一体感を持てるようになるまでどれ程の時間を費やしたのだろうかと思うと、頭の下がる思いがした。ともかく、心から感動し、大きな拍手を送らせて頂いた。その後、グレーのジャケットに着替えたメンバーからアンコール曲や慶應義塾の歌が披露されたが、数えると20を超える歌が全て暗譜で歌われていた。努力は裏切らない、勝利の女神は準備を愛する、を学ばせてもらったように思う。