書店で久し振りにジェフリー・アーチャーの著書を見付け、懐かしくなって購入した。読むほどにどんどん引き込まれる小説を書く作家で、イギリスの国会議員だという記憶があった。
この「嘘ばっかり」は短編集だが、読み始めると案の定、思わぬ展開や意外な結末の連続で、あっという間に読み終えた。実話からヒントを得た話もあるようだが、後味が良いのは、努力した者、知恵を絞った者、正しくあろうとした者が報われるという筋立てが多いからだろう。
例えば、「恋と戦は手段を選ばず」には財力にモノを言わせる強欲な大地主とその影響下にある貧しい純愛カップルが登場するが、見事なストーリー展開で純愛カップルはハッピーエンドを迎える。一方、「回心の道」では名門企業のオーナー一族に生まれ、誰もがその洋々たる前途を羨んでいた青年が家業を捨て聖職の道を選ぶ。そして最後にその理由が明かされる。
ジェフリー・アーチャーの経歴を多分初めて真面目に読んだ。正に波瀾万丈で「事実は小説より奇なり」だ。
「ジェフリー・アーチャーは1940年生まれ。オックスフォード大学卒、最年少で庶民院議員になるが、詐欺にあって全財産を失い、同議員も辞職。しかし、「百万ドルをとり返せ!」がミリオンセラーとなり、借金を全て返済。次にロンドン市長選に立候補するが、以前の裁判での偽証が発覚して実刑判決を受け服役。しかし、この間の体験をもとに「獄中記」三部作と「プリズン・ストーリーズ」を出版してベストセラーにする。更には一代貴族になり、今は貴族院議員という人物。」恐れ入りました!(笑)
