第4部は再びコーロ・カステロが登場され、ウクライナ民謡の「オレーグ公」、ソ連時代の「バイカル湖のほとり」、そしてロシア民謡の「ヴォルガの船曳歌」を歌われた。いずれもコーロ・カステロの十八番(おはこ)のように思うが、中でも哀愁漂う「ヴォルガの船曳歌」は辛くとも辛いと言えない男の意地や悲哀を感じさせる歌で、女声合唱団や若手の男声合唱団ではあそこまで深い味わいは出せないと思う。これからもコーロ・カステロにより大事に歌い継がれて欲しいと思う。

その後、舞台はドイツに移り、メンデルスゾーン作曲の「船の旅」、ドイツ民謡の「静かな谷間」、シューベルト作曲の「夜」と「菩提樹」の4曲が歌われたが、そこでクラーククラブが再び舞台に上がってこられ、総勢70名となった男声合唱により歌劇タンホイザーの「巡礼の合唱」が歌われた。それまではコーロ・カステロの歌声を心地よく聴いていたのだが、歌い手が70名に増えると迫力が違う。読んで字の如く、その違いを「体感」することとなったが、私は力強く伸びやかな男声合唱で大変良かったと思う。


これこそ初の試みだったと思うが、合唱曲の中には大人数の方が表現し易くなるものもあるように思うし、私は合唱には素人だからトンチンカンなことを言うかも知れないが、この70人の男声合唱で歌う「ヴォルガの船曳歌」を是非聴いてみたいと思った。

コーロ・カステロには守って来られた世界があるように思うし、それを支えて来られたファンも大勢おられるが、私は毎回のコンサートで必ず何かしらサプライズがあるのがコーロ・カステロの魅力だと思う。これからも伝統に胡座をかくことなく、新しいことにチャレンジして私たちを驚かせたり温かい気持ちにさせるコーロ・カステロであって欲しいと思う。