高校ラグビー部の顧問の先生は「オットー」と呼ばれていた。授業では聖書やキリスト教について教える牧師先生だったが、風貌がどこかオットセイに似ていることからオットーと呼ばれるようになったらしい。そのオットー先生が4月に亡くなっておられたことを喪中葉書で知った。
高校3年生で主将に選ばれた私は一年下の学年と対立し、2年生全員が退部するという前代未聞の事態を招いてしまった。私にも言い分はあったが、今から思えば未熟で、愛情と配慮に欠ける主将だった。当然のことながら、2年生が抜けてチームは危機的状況を迎え、私は大いに落ち込んだ。
それでもオットー先生は私を叱ったりせず、何事もなかったかのように接して下さった。それが私には救いとなり、一方、チームは1年生の奮起で立ち直り、何とか府予選は2位で終えた。そんなオットー先生から受けた注意が一つだけある。「お前の歩き方はひどい。歩くとき肩を揺するな。花嫁が迷惑してるぞ。がに股も直せ」だ。高校のチャペルで挙げた結婚式ではオットー先生に司式をお願いしたが、前日のリハーサルでそう言われ、横にいた妻が笑った。
