京都に居られる中学時代の恩師が新聞記事のコピーを送ってきて下さった。第63回青少年読書感想文のコンクールで京都府知事賞を受賞された高校2年生、山田緑さんの作品だ。


「いつまでも いつまでもお元気で ー 特攻隊員たちが遺した最後の言葉」という本を読まれ、その中に出てくる18歳の少年が継母に遺した遺書について書いておられる。
「実の母では無かったが自分を本当の我が子のように慈しみ、育ててくれたことへの感謝。しかし、そんな母に対して彼は一度も『お母さん』と呼ぶことができなかった。そのことに許しを請い、そして遺書の最後に彼はこう記している。『今こそ大聲で呼ばして頂きます お母さん お母さん』と。」
彼女はこの遺書を読んで身を切られるような悲しみを感じ、そして、いけないものだとは理解しつつどこか他人事のようにも感じていた戦争を、これまでになく身近なものに感じ、あたかも明日特攻を控え、遺書を書いている隊員になったかのような感覚に陥る。これこそ彼女の優れた感受性と知性の賜物だろうが、その彼女がこう断言している。
「今、私たちに足りないものはこの想像力だ。」
その通りだと思う。彼女のお陰で背筋が伸びた。日本にも素晴らしい若者がいる。