上海から羽田に向かうフライトの中で「ダンケルク」という戦争映画を観た。
物語はドイツ軍によってフランス北端の港町、ダンケルクに追い詰められた連合軍兵士を中心に描かれるが、砂浜に何列もの列を作って救出を待つ兵士たちをドイツ空軍機が襲うと、その中の何人かが倒れたまま立ち上がれなくなる。又、せっかく救助船に乗り込めたのに、ドイツ海軍の魚雷が命中すると船内の兵士も看護婦も悲劇的な最期を迎える。
青い空に白い砂浜という美しく静かな光景がアッと言う間に戦場に変わり、船内で紅茶やビスケットを手にしながら談笑していた人たちが次の瞬間には死に直面する。そういう戦争と平和、生と死の境い目は実は脆いということを、又、そういう場に居合わせてしまうと、最早、自分の運命を支配することなど無理だということを淡々と語り掛けて来る映画かなと思った。
主人公と言えるヒーローは出てこないし、生と死が隣り合わせの場面に出て来るのは死を恐れる人や自分だけは生き延びたいと願う人、又、何とか味方の兵士を救いたいと行動する人や最後まで戦おうとする人だ。自分自身を含め、いずれも私たちの周りにいそうな人たちだから、その分、映画をリアルに感じられたように思う。
映画を観終わった感想は、「平和で良かった」だ。来年も平和な一年であって欲しいと思う。
