今年もコーロ・カステロのコンサートに出掛けた。このコンサートを聴くことなく冬は迎えられない・・というところまで、私の一年には欠くことのできないイベントになった。
第一部は滝廉太郎作曲の「箱根八里」に始まり、タンザニア、インドネシア、スコットランド、アイルランド、イタリア、アメリカ、そしてメキシコの歌が披露された。
コーロ・カステロらしいと感心したのはインドネシア民謡の「リソイ」だ。乾杯を意味する曲名の通り、ステージから瓶と瓶が当たる音がしてきたかと思うと、袋の中からビール瓶が出てきて指揮者のT先生やメンバーの回し飲みが始まった。その動きが如何にも楽しそうだったのだが、歌声以外に笑い声が聞こえてきて、周りの人たちまで、皆さん、つられて笑い出した。サービス精神旺盛なコーロ・カステロらしいステージだったと思う。
逆に、観客席がしーんとなり、ステージの演奏に聴き入ったのはアイルランド古謡の「ロンドンデリーの歌」だ。指揮者のT先生が美しく張りのある声で情感たっぷりに独唱され、聴き終わったときには溜め息が出た。隣に居られたご婦人も同じように思われたのか、「素晴らしい歌声でしたね」と話し掛けて来られた。
この「ロンドンデリーの歌」からUさんがフルートで参加されていたが、そのあとソロで演奏された「シチリアーノ」は少し物悲しく哀愁の漂うメロディーに柔らかな音色のフルートがピッタリ合っていて感動した。次に演奏されたのは「結んで開いて」の変奏曲で、最初は「えっ?」という驚きの声が上がったように思うが、その後、転調したりリズムを変えて様々な「結んで開いて」が出てきたので、最後には感心しましたという大きな拍手が湧いたように思う。誰もが知っている曲で感動を与えるというのは凄いことだと思う。
(続く)
