「誰がアパレルを殺すのか」
過激なタイトルだが、書いてあることは事実に基づく分析であったり、新しいビジネスモデルで成長を遂げている企業の紹介であったり、極めてまともな内容だ。
前半は百貨店と共に成長を遂げてきたオンワードやワールドのビジネスモデルや日本のファッション市場の歴史を振り返り、その強烈な成功体験から百貨店もこれらのアパレル企業も却って世の中や消費者の変化への対応が遅れたのではと問題提起されている。
後半は新しい切り口やコンセプト、ビジネスモデルで注目を浴びる企業を取り上げておられる。新品から中古品まで一環して取扱う企業や、販売ではなくレンタルで業績を伸ばす企業などさまざまだが、消費者の力強い支持を得て成長を遂げている様子が生き生きと描かれている。
ただ、アパレル市場に限らず、靴やバッグの市場でも競争の激化や倒産、廃業が見られ、これまで成功とされてきたビジネスモデルの見直しや新しい試みが行われている。結局は日本全体が、或いは世界全体が容易ではなくなった経済成長と向き合い、その中で生き残る道を模索しているというのが実情ではないか。
経済学で成長のために必要とされる「未開拓の土地」がなくなりつつあるように思う。それでも無理に成長しようとすれば、「労働者の賃金」が未開拓の土地として狙われる・・・そういう見方があるし、事実、低価格のものを買い求める人が増えたことがいろんな市場の力関係を変えているように思う。
