勤務先を定年退職し、生まれ故郷に転居されたH谷さんが上京された。H谷さんは私と同い年。仕事で知り合い、話をする内にそれが分かって一気に親しくなった。ヒーローなら鉄腕アトム、鉄人28号、エイトマン、野球選手なら長嶋茂雄、王貞治、村山実、車ならホンダS600、マツダ・キャロル、トヨタ・パブリカ・・と互いに通じる固有名詞がぽんぽん飛び出し、大いに盛り上がったものだ。

 

そんな私たちも還暦を迎えた。子育てが終わり、勤務先では定年を迎え、 これからの人生を考える時間の余裕ができた。しかし、余裕とは選択肢が広がることでもあり、却って考え過ぎたり迷うこともある。私たちを車に例えれば新車ではなく中古車、ガソリンも満タンではなく残り20ℓ(笑) さて、どこを目指して走ろうかという状況だろう。H谷さんも故障を修理しながら行き先を模索中という感じだった。 

 

翌朝、互いに再会を喜ぶメールを交換したが、H谷さんには次のようなメッセージを入れた。

 

「お互い、髪は薄く白くなり、身体にもガタが来ていますが、失ったものより未だ残っているもの、これから得られるものに目を向けましょうね」。

 

朋有り遠方より来たる、また楽しからずや。H谷さん、又、会いましょう。それから、お土産ありがとう。めちゃ美味しかったです。