(後半3分)

自陣22m付近のスクラムからSH原田がダミーで右に走り、ボールは左サイドへと回ります。再びWTB鶴田がボールをもらい、敵のFB、対面のWTBを次々に振り切る快走でトライを奪います。そのスムーズな加速と大きく外にコースを取れる脚力に歓声が湧きました。この攻撃ではBKの選手が相手のディフェンスを見ながら冷静に間合いを詰め、良いタイミングでボールをつなぎ、鶴田を余らせています。その後は鶴田の走力でトライを奪っていますが、このBKのセンスと判断力は素晴らしいと思いました。

 

(後半12分) 

5分と8分に慶應が反撃のトライ、同志社にとってはディフェンスの甘さが課題として残りましたが、同志社の活動量は全く衰えず、慶應が深く蹴り込んできたボールをFB安田がキャッチしてカウンターアタック、ラックから出たボールをLO服部、LO堀部、HO土田、WTB後藤とつないで一気に慶應ゴール前に迫ります。見応えのあるゲインでしたが、目立ったのは一人ひとりの当たりの強さです。慶應も低いタックルで応酬するのですが、ボールを生かす強さと身のこなしが同志社にはありました。12分、慶應ゴール前で得たペナルティから野中主将がボールを持って突進、トライを奪いますが、野中主将の身体を張ったプレーもメンバーに勇気を与えているように思いました。

 

(後半24分) 

後半13分から23分までは同志社陣での防戦一方の戦いとなります。何度か危ない場面もありますが、同志社は強いタックルでしのぎ、反撃のチャンスを窺います。そして24分、自陣22m付近のラックから出たボールがCTB永富に渡り、それを見計らったかのように後方から上がってきたFB安田に絶妙のパス、抜け出た安田―永富―安田と二人で敵陣22mまで攻め入ります。一旦、ラックとなり、同志社は左オープンに展開しますが、FB安田のパスがラインの後ろにそれてしまいます。これはピンチを招くかと思ったところ、それを拾い上げたWTB鶴田が外にいた慶應の選手の更に外側を走り抜くという目を見張るスピードでゴールに達しトライを上げます。見事でした。

 

(後半26分)

同志社がノーホイッスルトライを上げます。キックオフのボールをキャッチしたNo.8秦が大きくゲイン、ラックから出たボールをCTB永富が受け、再び絶妙のタイミングで後方から走り込んできたFB安田にパス、安田がディフェンスを引き付けた上でWTB鶴田にパス、鶴田が快走を見せてこの日4つ目のトライ。同志社ファンにとっては歓喜の時間帯となりました。

 

(後半35分) 

スコアが48-40でしたので、慶應からすると一つトライを返しておかないといけない時間です。しかし、同志社がキックではなくパスで攻める選択をしていましたので、なかなか慶應に攻撃のチャンスが巡ってきません。ところが、同志社が自陣22mから左オープンに展開し、WTB鶴田にボールが渡ったところでスローフォワードの反則を取られます。慶應にとってはチャンス。そのチャンスを潰したのがFL野中主将の好タックルです。慶應No.8にボールが渡ったのを見定めるように強烈なタックルを見舞い、ノックオンを誘います。非常に攻撃的なタックルであったという意味で、ここに記しておきたいと思います。

 

(撮影:同志社校友 新田さん)

 

(後半37分)

ペナルティを得た慶應が同志社ゴール前のタッチに蹴り出し、ラインアウトから攻撃を仕掛けますが、ラックでターンオーバーがあり、同志社に出たボールがCTB永富―WTB鶴田―FB安田―永富―安田と渡り、慶應ゴールラインを割ります。しかし、グランディングができず、キャリーバックとなります。5mスクラムからSO古城が持ち込み、FL野中がゴールに迫り、最後はLO服部がトライ、ゴールも成功し55-40としました。

 

第100回という大きな節目を迎えた同志社・慶應義塾ラグビー定期戦ですが、両チームとも終始真摯なプレーに徹し、ペナルティが少なく、見ていて気持ちの良い試合となりました。両チームともにディフェンスには課題を残し、特に同志社にとっては敵SHの横移動にタックルポイントをずらされたような印象が残りましたが、タックルそのものは前で倒すという強い意志が感じられ、今後の修正が可能であるように思えました。攻撃面では明るい材料が多いので、今後の成長、進化に期待したいと思います。