人間そっくりのロボットは「アンドロイド」というそうだが、もう一人・・・じゃなくて、もう一体、アンドロイドが目に入ってきた。こちらは SUR-KY-01 という名前だが、実際に世の中で活躍中とのこと。
 
 
ただ、人と似てはいるが、どこか違う。そういう違いを人間は無意識に探し出し、警戒心を抱くらしい。それを「不気味の谷」と呼ぶんだそうだが、確かに、大勢の人たちと見ている分には良いが、狭い部屋で二人きりになるとちょっと怖いかも。その点、NAOというロボットは如何にもロボットで、なかなか愛嬌がある。踊ったり、首を傾げたり、更には目をぱちくりさせながら私を見詰めてきた。おかしなもので、そういう反応から心が通じ合っているように思えてきた。
 
 
その後、この世界では有名な大阪大学の石黒 浩先生の講演を聞かせて頂いた。これまで桂米朝師匠やマツコデラックスのアンドロイドを作ってきた先生らしいが、例えば、桂米朝師匠のアンドロイドはその名人芸を保存したもので、CDやDVDとは比較にならない迫力があるとのこと。落語を5分も聞けばアンドロイドであることを忘れるそうで、面白いのはお弟子さんたちが米朝師匠アンドロイドの前では今に叱られるのではないかとビクビクするらしい。正に米朝師匠そのものを保存できる訳だから、そういう名人芸や職人芸、伝統の技のようなものをアンドロイドで保存するという需要が出てきているとのことだった。なるほど。
 
もう一つ印象に残ったのは、ハグビーという抱き枕のようなロボットがあるのだが、これを騒がしくて落ち着かない小学校1年生のクラスで一人ひとりの生徒に与え、先生の声をハグビー経由で聞かせると、瞬く間に子供たちが落ち着き、ちゃんと先生の言うことを聞くようになるらしい。子供というのは、誰かと触れ合っていると落ち着き、自分一人に話し掛けられているのだと分かるとちゃんと静かに聞くらしい。子供に限らず、回りに遠慮し、口が重くなった老人もそういうロボットが相手だと、それを操作するお医者さんや家族の言うことをちゃんと聞き、しかも本音を話すんだそうだ。
 
私が思っていた以上に、ロボットが生活の中に入り込み、活躍を始めている。2020年の東京オリンピックでも、「30か国語で道案内できる人は先ずいないでしょうが、ロボットなら簡単にできますよ」と石黒先生はおっしゃる。その通りだ。私の仕事もロボットに取られないようにしないと。